昔話 ページ30
「昔は、人間と魔族で一つの国を作っていた。お互いに協力して、問題も度々起こったがその都度協力して乗り越えていた」
……それってたぶん、七十年以上前の話だよね。
「だけど、いつからか……人間は自分と違う種族である魔族を恐れ、迫害し始めた。いや、もしかすると恐れ始めたのは魔族が先だったのかもしれん。どっちが先かは今じゃもう、確かめようがない」
沈んだ目は、どこか遠くを見ている。
「魔族の貴族と人間の貴族での対立も深まった。俺も、親友だった人間の貴族と会わなくなった。しかし……王は人間だった。王が魔族を追い出すお触れを出し、抗争は激しくなって互いに殺しあいを始めたんだ」
習ったことではあるけど、それを実際に経験したんだ。
どんな想いで、パパはそこにいたんだろう。
「俺の屋敷に火をつけられ、その犯人を追い詰めて殺したとき。そいつが親友だと殺したあとにわかって……俺はもう、限界だった。従う魔族を集めて、国を作り、外からは見えない魔法を施した」
「そんなことがあった後だ。ユリカは俺と結婚して、国民には始め受け入れられず、石を投げられていた。だが、ユリカの人柄で国民はゆっくりとではあるが、人間に心を開いていったんだ。これが続けばいつか……また、人間と魔族の国ができるかもしれないなんて、そのときの俺は思っていた」
「だけどな。そんなのは……無理だったんだ。人間たちは聖女の能力を恐れていたがために、ユリカに遅効性の毒を仕込んでいた。それは、ユリカが妊娠しているときに効力を発揮し、もはや解毒は不可能だった。母子ともに死ぬのも時間の問題だった」
……毒？
ぞっとする。殺すつもりでママを利用していた、なんて。
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蒼鉛 - れてぃちゃんかあいい (2020年11月20日 21時) (
レス) id: 0d8498869d (このIDを非表示/違反報告)
ネロ(プロフ) - ななさん» ありがとうございます！ 更新ゆっくりになるかもですがよろしくお願いします！ (2020年4月26日 13時) (レス) id: c7ce3281d5 (このIDを非表示/違反報告)
なな - とっても面白いです！絵も上手ですね〜！夢主ちゃんめっちゃ可愛い！更新頑張ってください！ (2020年4月24日 21時) (レス) id: 0166b3d8d2 (このIDを非表示/違反報告)
ネロ(プロフ) - 小倉さん» ありがとうございます(*＞∇＜) (2020年4月22日 12時) (レス) id: c7ce3281d5 (このIDを非表示/違反報告)
小倉(プロフ) - おおお…面白い物語が始まりそう…！こっちも頑張って下さい！(`・ω・´)b (2020年4月22日 12時) (レス) id: 6c749d243c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネロ | 作成日時：2020年4月22日 11時
