魔王の一人娘になりまして。【オリジナル】

勉強が終わらないんだが ページ11

「それでは、今日から再び授業を始めます」


　ん？
　チョットマッテクダサイ。



「勉強終わったんじゃなかったの？」



　アルドが、おかしなことを言う生き物に出会ったという顔をした。



「基礎が終わっただけだと言ったでしょう？ 七歳からは茶会デビューなのです。ただでさえレティシア様は五年のハンデがありますからね」




　そんなやれやれ、って顔しないでくれる？
　私もやれやれって言いたいんだけど！





「準備するのに少々時間がかかりましたが、教材は揃えました」



　自慢気に運び込まれるのは、基礎の五倍はあるだろう量の紙束と書物。


「……これ全部覚えるとか言わないよね？」
「言いませんよ。全部覚えて理解してくださいって言います」




　お、鬼ーーっ！
　ここに鬼がいるんだけどぉーーっ！


　ヘルプミー！


「私たちが生来話せるのは最も単純な『ラミレス語』のみです。最低五つの言語は習得していただかなければいけません」


　どうしてみんな五歳に厳しいんだい？


「あ、アルドは因みにいくつぐらい話せるの？」
「古代のものを合わせるとざっと二十前後ですかね」


　わーお。
　そういえば神童って呼ばれてるって言ってたね。




「そこまでは求めませんよ。王家の不足を補うのが補佐役ですから」




　うぅっ、私も十四歳だもの(中身は)。
　六歳の子にそこまで言われて嫌だなんて言えないよね。



　やるしかないかぁ……。

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