Butterfly -tkin- 《1》 (ページ34)

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慧side

いよいよ夏休みに入り、
高木と大ちゃんと三人で入ったマック。

もちろん俺が計画した勉強会

…のはず。

大｢でさ、この新作のゲーム、
体験版だけやってみたら超面白くて！｣

雄｢えーなにそれ、怖いやつ？｣

大｢そー。夜にやると寝れなくなるよ笑｣

課題の代わりにゲーム機を持参してきた
大ちゃんに、俺もやりたいー、なんて
高木までそっちに気を取られて。

慧｢なんかお前ら勘違いしてない？｣

雄｢えっ、｣

慧｢大ちゃんに関しては
何一つ勉強道具持ってきてないし…｣

大｢あっ、返してよ伊野ちゃん！｣

2人が覗き込むゲーム機を取り上げれば、
すぐさま取り返しにかかる大ちゃん。

あれ…

大ちゃんってこんな力強かったっけ？

ヒョイと軽々と奪い返されて、
逆に呆気に取られる。

俺の記憶が正しければ、大ちゃんって
年下の山田や知念と腕相撲しても
秒で負けるぐらい腕力がない人だったのに。

慧｢…なんか、筋肉ついた？｣

大｢おっ、ようやく気がついたか
伊野尾ちゃん！｣

俺の台詞を待っていたかのように、

大ちゃんが私服のデカいTシャツを
まくって、ここぞとばかりに
腕の筋肉を見せてきて。

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