Butterfly -tkin- 《1》 (ページ31)

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雄也side

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雄｢えっ、そんな、いきなり…｣

｢いいのいいの、
今日はちょっと作りすぎちゃったから｣

買い物から帰ってきたおばさんに
一緒に晩ご飯食べてって、と
引き止められたのは、

すっかり日が暮れて
有岡くんが隣の家に帰って、
俺もそろそろ帰ろうとした時で。

困った表情で伊野尾くんを見れば、
彼はなんだか眠そうな顔をしている。

慧｢高木のお母さんが
料理作って待ってなかったら
いいんじゃないー？｣

雄｢あ、それは大丈夫。

俺、両親共働きで夜遅くまで
誰も帰ってこないから、｣

母さんもいちいち手作りの料理は
置いていかないし、

大抵コンビニで買ったもので
軽くご飯を済ませるのがいつもの事だし。

慧｢へっ？…知らなかった、｣

なんか、ごめん、と
何故だか謝ってくる伊野尾くんに、
｢なにが？笑｣って笑い返す。

周りから見れば寂しい奴なんだろうけど、
実際は一人の方が楽しいんだけどね、なんて
…知らない間に妥協でもしてんのかな、俺。

｢じゃあ決まりね！

お口に合うかは分からないけど、
料理は結構自信あるのよ。｣

伊野尾くんに似た、白くて綺麗なおばさんに
｢適当に座って｣とリビングに通された。

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