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「Aちゃん!ユンギは?」

『今処置室に。傷の手当てをしてもらってます。』

「そっか・・」



救急車で運ばれたミンくんの処置を待っていたら、警察の事情聴取を終えた店長が来て、事情を教えてくれた。

どうやら彼女はミンくんにストーカー紛いの行為をしてたらしく、今日のお店での出来事が彼女に追い討ちをかけたらしい。

それなのに。
私ったら、あんなこと言って・・先輩としてダメダメだ。



「Aちゃんは悪くない。自分を責めることなんて、しちゃダメ。」




何も出来なかった自分が情けなくて泣きそうなのを堪えてたけど、
店長が優しく頭を撫でてくれて、
あたたかい言葉に我慢してたものが溢れてくる。



「・・え?」

「ユンギー!!大丈夫か?!」

「店長、すいません。ご迷惑をおかけしました。」

「こっちこそ、何も気づいてやれなくてごめんな?」



一瞬驚いた顔をしたミンくんに店長がいつものようにふざけながら絡んでる。
私もきちんと謝らなきゃ!と涙を引っ込めて、流れた涙を擦る。

まずなんて言おう?
言葉選びに集中したせいで



「じゃあよろしくね?Aちゃん。」

『・・え?ちょっと、店長?!』



大事なところを聞き逃してたらしい。



「行きましょ、先輩。」

『どこへ?』

「頷いてたのに聞いてなかったんですか?俺を送ってくれるって話。」



・・はい?どういうこと?



「タクシー代ならもらってるんで。」

『は?いやいや、そういうことじゃなくて、』



ホントに怪我人?てくらい、ミンくんにぐいぐい引っ張られて、タクシーに詰め込まれる。

ミンくんが運転手さんに行き先を告げる。
意外と私とご近所さんなんだって静かに聞いていたら、ミンくんの顔がすぐそばにあってつい大きい声を出してた。

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作者名:蒼しょこら | 作成日時:2022年5月16日 15時

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