塩ひとつまみ、砂糖少々。*yg* (ページ28)

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心臓が掴まれてるみたい。
ミンくんに呼ばれる度、うまく息ができない。

“先輩？大丈夫ですか？”

『あ、うん。大丈夫。ごめんね。』

“何も謝ることされてませんよ(笑)”

ミンくんに溺れそうな自分に戸惑う。
同時にミンくんの気持ちが苦しいほど伝わってきて、心の隅で自惚れて喜んでる自分もいて。
どうしたらいいかわからなくなってる。

“今、外ですよね？”

『あ、うん。よくわかったね？』

“俺も外なんで”

だからか、ミンくんがいることに気づかなかった。

「全然気づいてくれないんだから(笑)」

真っ白なのに男らしい腕に後ろから抱きしめられて、
また苦しくなる。
私、ミンくんのこと好きすぎてる。

『店の前だよ？』

「知ってます(笑)」

『恥ずかしいから、やめよ？』

「そう思ってるのも知ってますよ？でも少しだけ。」

きつく抱きしめられて、恥ずかしくて、でも嬉しくて。
許してしまう。
心臓が壊れそうなほど、ドキドキしてる。

少しして腕を解いてくれると、ミンくんの方へ体ごと向きを変えられ。
優しい眼差しを向けるミンくんに、もっとドキドキしてる。

「今から初デートしませんか？」

『あー・・えっと・・』

「予定ありますか？」

『ううん、そうじゃなくて・・』

やましいことじゃないのに、そうみえちゃってるかな？
でもついさっきまでテヒョンと話してたからなんとなく気まずいし、余計なこと言いそうな気もするし。

「あ。」

『・・げっ！』

「可愛い弟になんだよ？その顔。」

『もうっ！うるさい！テヒョン、今日はこれで、』

予想外に現れたテヒョンをミンくんから必死に引き離す。
店の中へ無理矢理押し込もうとしたら。

「初めまして。先輩の弟さんですよね？」

私たちの方へ近づいてきたミンくんは、
にっこり微笑んでテヒョンに手を差し出してる。

さすがミンくんて、惚れ惚れしてた私は

「そうです。独占欲丸出しの痕をつける人とは思えない見た目ですね？」

テヒョンの失言を止めそびれた。