第100話 ページ10
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『…はぁ…はぁ…』
「…チッ…しぶといわね…」
『まあ…夜の方が元気なもんで…』
激しい攻防を繰り返し、互いに大きな致命傷を与えられないまま、時間だけが進んでいく。
『(早く街に行かなきゃ…嫌な雰囲気が漂ってる…)』
「街に行かせないわ…」
『……あんたの血鬼術、花を使うんだね。威力もあるし厄介なものも多い』
「そんなに褒めても攻撃は止めないわよ?」
『違うよ。凄いけど…私の方が上だってこと』
「は?」
顔を歪める鬼に、ニッと笑って言った。
…本能が言ってる。血を、酸素を回せと。
『(全身を熱く、体温を上げろ…もっと、もっと…!)』
「!」
『(鬼よりも、より1歩を、一瞬を速く…!)
氷の呼吸 陸ノ型 花氷』
「!?ギャアッ!!」
スパン!と頸を落とせば、動きが止まる鬼。
「最悪最悪最悪!!お前如きに…!」
『"お前如き?"…舐めないで、これでも一応柱なんだよね。……?』
と、自分の言った言葉に疑問を覚える。
…まただ、これは記憶だ。勝手に言葉が出た。
『(柱って、鬼殺隊でもトップにいる人達の事だよな…私そんな強かったのか…?)』
「くそっ…せっかく…街の人間も襲えてたのに…!」
『…てかよく喋るね、あんた。なんで消えないの…――!!』
と、再び刀を構えた時、全身に悪寒が走る。
急いでその場から離れると、次の瞬間、自分の居た場所の地面が凹んだ。
「無事か、
「
『(また鬼…)…!!』
2体が合流すると、互いの左右の目に浮かぶのは漆の文字。
『(何だ、今までの鬼と違うのか…?でも確かに、あの女の鬼…誑花の雰囲気が変わった…。てか、なんで漆…?陸までじゃ…)』
「許さないからねあんた…馬鹿にしやがって…」
「…ふむ、街で何人か喰ってきたが…やはり足りんな。しかし、"揃えば"あんな小娘…容易いもの」
手を私に翳した瞬間、何かに押され塀に吹っ飛ばされる。
…何だ今の、風…?衝撃波…?
『げほっ!げほっ!(肋やられた…っ!)』
「あまり血を流させちゃダメよ。厄介な血鬼術を持ってるから」
「だが、使い方も知らんようでは、無いに等しい…」
『よくまぁペラペラと…(知ってたか…)』
そうだ、血鬼術は使えるが、使い方までは知らない。無意識下で使ってたのか、戦闘中に意図して使ったことがない。
「さっさと終わらせて無惨様に差し出さねば」
「そうね」
『ハンッ…出来るもんならやってみろ』
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月花 - 善逸との絡み入れて欲しいです (2020年1月23日 7時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 大正コソコソ話!夢主は鬼殺隊に入り始めた頃任務がキツくて来世は隠に入ろっかなと思ったらしいよ (2020年1月23日 7時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - 星廻さん» コメントありがとうございます!!(*´-`*) シンプル!笑 嬉しいです(*´`) (2019年10月19日 0時) (レス) id: 3900fac987 (このIDを非表示/違反報告)
星廻 - すきです! (2019年10月18日 23時) (レス) id: 345c689636 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - 廻那さん» コメントありがとうございます!!更新頑張っていきます!(*^^*)ああああ、ご指摘ありがとうございます( ; ; )すみません( ; ; )すぐ訂正します( ; ; ) (2019年8月10日 1時) (レス) id: 81b06921bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年7月13日 18時