【鬼滅の刃】生きるために刀を握れ！ 弐

第55話 ページ10

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そう言うも、保証がない。人が死んでからでは取り返しがつかない。と、実弥さんと煉獄さんに反論される。

が、



「確かにそうだね。人を襲わないという保証ができない、証明ができない。ただ、人を襲うということもまた証明できない」

「!!」

「禰豆子が2年以上もの間、人を喰わずにいるという事実があり、禰豆子のために"4人"の者の命が懸けられている。これを否定するためには、否定する側もそれ以上のものを差し出さなければならない」

「…っ」

「……むぅ！」

「それに炭治郎は、鬼舞辻と遭遇している」



お館様がそう言うと、皆炭治郎に質問攻めする。

…炭治郎、目が回ってるから皆やめてあげて…。

と、心の中で呟けば、お館様が人差し指を立てて、シーっとでも言う仕草をすれば、みんなピタリと止まった。



「鬼舞辻はね、炭治郎に向けて追っ手を放っているんだよ。その理由は単なる口封じかもしれないが、私は初めて鬼舞辻が見せた尻尾を掴んで離したくない」



わかってくれるかな？と、お館様が一通り話すも、実弥さんはまだ納得出来ないらしく、自分の腕を切る。



「お館様…!!証明しますよ俺が、鬼という物の醜さを!!」

「実弥…」

「オイ鬼!!飯の時間だぞ！喰らいつけ!!」



ボタボタボタ！と禰豆子ちゃんの入った箱に血を垂らすも、日なただからダメだ。という伊黒さん。

失礼仕る。と部屋へ入り、箱を壊そうとする実弥さんに、炭治郎が止めようとするも、伊黒さんが炭治郎を抑止させる。



「かっ…」

『炭治郎!!』



バキィ!!

私が名前を呼ぶのとほぼ同時に、禰豆子ちゃんの箱が壊され、ゆっくりと立ち上がった血塗れの禰豆子ちゃん。



「伊黒さん、強く押さえすぎです。少し弛めて下さい」

「動こうとするから押さえてるだけだが？」

「…竈門君。肺を圧迫されている状態で呼吸を使うと血管が破裂しますよ」

「血管が破裂!!いいな響き派手で!!よし行け破裂しろ!!」

『天元さん、ちょっと黙ってて下さい』



ドス、ドス、と腹パンを喰らわしていれば、もうちょい手加減しろよ…とお腹を抑える天元さん。

見るに堪えない光景に動こうとすると、それを阻む腕。



『…煉獄さん』

「今、Aが飛び出していいのか？」

『！』



煉獄さんの言葉に、全身の力を抜く。

…そうだ、耐えなければ。今は。



『(禰豆子ちゃんが、自分で乗り切るからこそ、意味がある…"証明"出来るんだ…)』



…だから、耐えろ…私…!!

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