第91話 ページ49
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前世の家族、お父さんとお母さんはどんな形であれ生きていて、姉さんは死んでいる。
『(鬼に…殺された…)』
ドクン、ドクン、と心臓の音が耳に響く。
…ああ、全身が疼く…怒りがふつふつと沸いてくる…。
「どう?生き返りたくなった?」
『っ!!』
…ああ、そういうこと。
わざわざこんな話をしたのは、そう言わせたかったからなのか。
『クズめ…!!』
「そうでもしないと君は頑なに嫌だと言うだろう?」
『当たり前だ…!人間は…死ぬから…儚いから美しいもの…。永遠を願うのは人間らしい…でも、永遠を手に入れたら、それはもう人間じゃない』
「煉獄杏寿郎に感化されたかい」
『ああ、共感する、あの人の言う事には…』
「…でも?」
『…っ』
"生きたい"
心のどこかでそう思う自分がいる。
…もしかしたら禰豆子ちゃんみたく、呪いから外れた鬼になるかもしれない。そうなれば、もしかしたら…また…。
「素直な君にステキなお知らせをしておこう」
『…?』
「死んだとは言ったけど、身体が死んだ訳じゃない。君の精神だけがこちらへ来ているだけだ」
『…え?』
「だから、君の身体は生きている。私が生かしておいた」
『何故…』
「…私が20歳で死んでから…もう何年かわからない。でも、何人も見てきたよ、同じ状況の人」
遠くを見つめながら、そう言う男はあまりにも悲しい雰囲気を纏っていた。
「面白いくらい、皆利己的だった。そしてそんな奴らに限ってすぐ死ぬ」
『……』
「運悪く命を落とす者、邪心で鬼殺隊に入って殺される人、勿論、中には純粋に助けたいという気持ちで鬼狩りになって、鬼に殺された人もいた」
『…全員に、同じ呪いを掛けていたの?』
「あぁ、それが"決まり"だからね。だから、原作に関わりたいと思う程死ぬ。思わなきゃ生きれるよ」
…まあ、あんな身体になっちゃロクに生きていけないよね。
「…何故、私がこんな役割をしているのかもわからない。辞めたくても辞められなかった」
『……』
「でも、辞めれそうな気がする」
『…私を生き返らせたら?』
「ああ、察しが良くて助かるよ」
1歩ずつ歩み寄ってくる男。ピタリと止まれば、手を差し出した。
「散々意地悪をしたけど、私の事も救ってくれ…心優しい神凪Aさん」
『……』
「鬼か人間か、確率は五分五分ってとこかな。あと、呪いを外す代わりに、原作の記憶は消させて貰うよ。
さあ、どうする?」
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たくあん(プロフ) - ロアさん» コメントありがとうございます!!柱なので頑張ってもらっちゃいました!!!((笑 ありがとうございます( ; ; )頑張ります( ; ; ) (2019年12月27日 0時) (レス) id: 0c6fafeba7 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 夢主ちゃん、下弦とのエンカウント率高www((更新頑張ってください!! (2019年12月22日 16時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ふらんさん» コメントありがとうございます!!ご期待に添える展開に持っていけるか不安ですが、更新頑張っていきます!!ありがとうございます( ; ; ) (2019年7月13日 18時) (レス) id: c661d68094 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ピースサインさん» コメントありがとうございます!!面白いって言って頂けて本当に嬉しいです( ; ; )更新頑張ります! (2019年7月13日 18時) (レス) id: c661d68094 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - 葵咲さん» コメントありがとうございます!( ; ; )うおお…う、嬉しい…!( ; ; )更新頑張ります!( ; ; ) (2019年7月13日 18時) (レス) id: c661d68094 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月25日 1時