【鬼滅の刃】生きるために刀を握れ！ 弐

第84話 ページ42

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大きな技が何度かぶつかり合い、一度土煙が晴れた時、



「ハァ…ハァ…」

『はぁ…！』

「…しぶといな(…女が邪魔で致命傷を与えられん)」

『(踏ん張れ…！)』



…煉獄さんも私ももう消耗しきってる、でも猗窩座を徐々に追い詰めてるのは確かだ、段々頸を狙えるようになってきた。



『(今物語のどのあたりだ？心臓はずっと痛い、呼吸を使って動いたらやばい…)』

「…A」

『はい…』

「下がれ」



煉獄さんにピシャリと言われる。



『な、何で！ダメです…1人で戦っちゃ…！』

「明らかに呼吸がおかしい。右耳からも出血している」

『そんなの…煉獄さんだって肋折れてるでしょう！左目だってほぼ見えてないだろうし、出血も止めれてない！』

「肌の色がおかしい。大人しく下がるんだ、A」

『っ！』



指摘される身体のこと。

…ああ、そうだよ、耳も聞こえづらいし、ちらっとだけ見えた胸の藤の花はあと半分くらいしかない。

手足の藤色になってる所が痛むし、ずっと血の味がする。

でも、それでも、



『(私は、最後まで戦い抜いて、貴方を守りたい…)』



貴方は"ただの"登場人物なんかじゃない。炭治郎や時透くんたち柱のみんなにとって、大事な存在なんだ。

…"ただの"人間は、もう、関われない。



『(煉獄さん以降、死ぬ人は、)』



と、そこで、頭に浮かぶのはしのぶさんの顔。



『…っ！』



…ああ、憎い。



『(鬼が、鬼舞辻無惨が、憎い…!!)』

「！」

『氷の呼吸 玖ノ型 氷輪』

「炎の呼吸 漆ノ型 盛炎のうねり」



ドオォオン!!!!



『ハァッ…ハァッ…げほっごほっ！ヴっ…』

「やめろ、動くな」

『ぐあっ…！』

「A!!!!」



ドンッと背中を蹴られ、右手を強く踏まれる。



「立つな、寝ておけ」

『な、んで…！』

「血を吐いてる、死ぬぞ」

『…？』



猗窩座の言ってることがわからなかった。

…死ぬぞ？私を殺すつもりはないのか？女だから？でも煉獄さんを殺そうとするの？



『(何よ、それ…)』

「稀血の女…A、お前は俺を殺せない」

『…！』



そう言われ、ツゥ…と頬を伝う涙。

そして、右手を思い切り踏まれ、日輪刀が手から離れた。

…悔しい、悔しい悔しい。なんで私ばかり生かされる。こんな惨めなことあるか。私は、



『(私は…っ！)』

「炎の呼吸 奥義 玖ノ型 煉獄!!」

「破壊殺･滅式!!」

『猗窩座ァ!!』

「「！」」

『氷の呼吸 拾ノ型 氷牙炸魂(ひょうがさっこん)!!!!』

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