第79話 ページ37
.
「禰豆子頼む!縄を燃やしてくれ!!」
『!』
その声に覚醒すれば、A!目が覚めたのか!と私に寄る炭治郎。
「よかった…Aも夢の中で自分の頸を斬ったのか?」
『…うん。最高の夢だったんだけどなあ…。所詮、夢だったよ』
"A!何してるの!?危ないわ!"
"なんで刀なんて…それにその格好は…?"
"…久しぶりに会えてよかったよ、お母さん、お姉ちゃん。私、もう行かなきゃ"
"A!"
"まだ、そっちには行けないから…。また…"
『(自害が術を解くのはわかってたけど…流石に怖かったな…頸くっついてる…よかった…)』
「A!皆を起こすの手伝ってくれ!」
『うん!』
炭治郎が善逸と伊之助を揺すり、私は煉獄さんを起こそうと試みるも、誰も起きる気配がない。
そして、
『炭治郎!』
「!」
私達と繋がっていた少年少女が錐を持ちジリジリと迫る。
「邪魔しないでよ!あんたたちが来たせいで夢を見せてもらえないじゃない!」
少女はそう叫ぶと、他の子達にも、加勢しなさいよ!と声を張り上げる。
『…夢は、いつまでも見続けたいよね。私も、出来るならずっと彼処に居たかった』
「うるさい!私達にも夢を見せてよ!!」
『…でも、夢は夢なんだ…現実に勝るものなんて、ないんだよ』
カチャリ、と刀を構えると炭治郎が、ダメだ!と止めようとする。
『大丈夫、峰打ちにする』
「そうだろうけど手加減しような!」
炭治郎とほぼ同時に飛び出し、彼女達の意識を失わせれば椅子に寝かせる。
「俺はとりあえず前を見てくる!Aは禰豆子と皆を起こしてくれ!」
『待って炭治郎!』
「耳、聞こえづらいんだろう?」
『!なんで知って…』
「善逸や伊之助の声は普通に反応してたけど、俺や煉獄さんの声には反応出来てなかったから。前の任務の傷が癒えてないんだな?」
語尾になるにつれ、怒気を含んだ声になった炭治郎に圧倒され、おずおずと頷けば、そっと私の耳に触れる炭治郎。
「無茶だけはしないでくれ、頼むよ」
『…!』
「じゃあ行ってくる!」
『ちょ、炭治郎!』
列車の連結部分へと向かって走り出す炭治郎。
…仕方ない、そうこうしてる間に鬼が乗客を取り込もうと動き出すはず…
『とにかく皆を起こさなきゃ…。禰豆子ちゃん、伊之助起こしてくれる?善逸は眠らせたままでいい。私は煉獄さんを起こすから』
「むー!」
『よし、いい子だね禰豆子ちゃん。…皆で絶対守ろう』
1256人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たくあん(プロフ) - ロアさん» コメントありがとうございます!!柱なので頑張ってもらっちゃいました!!!((笑 ありがとうございます( ; ; )頑張ります( ; ; ) (2019年12月27日 0時) (レス) id: 0c6fafeba7 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 夢主ちゃん、下弦とのエンカウント率高www((更新頑張ってください!! (2019年12月22日 16時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ふらんさん» コメントありがとうございます!!ご期待に添える展開に持っていけるか不安ですが、更新頑張っていきます!!ありがとうございます( ; ; ) (2019年7月13日 18時) (レス) id: c661d68094 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ピースサインさん» コメントありがとうございます!!面白いって言って頂けて本当に嬉しいです( ; ; )更新頑張ります! (2019年7月13日 18時) (レス) id: c661d68094 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - 葵咲さん» コメントありがとうございます!( ; ; )うおお…う、嬉しい…!( ; ; )更新頑張ります!( ; ; ) (2019年7月13日 18時) (レス) id: c661d68094 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月25日 1時