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第30話 ページ32

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善逸が鬼の頸を斬り、暫く屋敷内を歩いていた頃、適当に扉を開けて入ってみたら、突然部屋が変わり、その勢いで外に飛ばされた。



「Aちゃん!!正一くん!!」

『!』



落ちる瞬間に名前を呼ばれ、腕を引っ張られて、善逸に庇われる形で地面に落ちた身体。



『痛た……!!善逸!善逸!!』

「善逸さん!!」



何度呼んでも目を覚まさない善逸に、自分の血の気が引くのがわかる。



『ぜ、善逸…?しっかりして…?』



と、頭に触れれば、ぬる、と生暖かい感触がした。

手の平を見れば、それは、私や正一くんじゃない、善逸の血。



『善逸…善逸…!!ま、待って…すぐに薬と止血を…!!』



と、薬を塗り、そっと頭を抱えて包帯を巻いていた時、え?と声を上げて目を覚ました善逸。



「…えっ?ん?これ、え?ひ、ひ、ひざ…!?」

『よかった目を覚まして…。善逸、落ちる時に私と正一くん庇って、自分は頭打っちゃうんだもん…心配したよ…』

「えっ?あれ?そうだっけ?」



ま、Aちゃんと正一くんに怪我ないならいいや。と、へらっと笑う善逸に思わずときめけば、猪突猛進猪突猛進!!と、玄関を突き破って出てきた伊之助。



「アハハハハハ!鬼の気配がするぜ!!」

「あっ!あいつ…今声聞いてわかった…!5人目の合格者…最終選別の時に、誰よりも早く入山して、誰よりも早く下山した奴だ!!せっかち野郎!!」



と、伊之助の様子を伺ってるうちに、彼が禰豆子ちゃんが入った箱を見つけた。

…そうだ!駄目だ!この後2人が…!

そうなる前に!と、止めようとするも、ドクン!と心臓がまた痛み出す。



『うっ…』

「Aさん!?」

「見つけたぞォォ!」

「やめろーーッ!」

『(ダメだ…善逸が…!)』



痛む心臓を抑えつつ、善逸と伊之助の方を見れば、箱の前に立ち、伊之助から守る善逸。



「この箱に手出しはさせない!炭治郎の大事なものだ!!」

「オイオイオイ、何言ってんだ。その中には鬼がいるぞォ、わからねぇのか?」

「そんなことは最初からわかってる!!」



そう声を荒らげる善逸。

…ああ、そうだよ、善逸は…いつだって優しい…。



「俺が……俺が…直接炭治郎に話を聞く。だからお前は…引っ込んでろ!!」

『ッ!』



善逸のその言葉に、思わず込み上げてくる涙。

…立て、立て…!あんなに優しい彼が理不尽に怪我をさせられるのは違うだろう…!



『善逸…!!』

「Aちゃん!来ちゃダメだ!危ない!」

「退けェ!」

「『!!』」

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ヘル - WW (2021年5月22日 0時) (レス) id: 8a8dc3fa13 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 第45話で絶対たまたまだけど名前出て一人で喜びの舞踊ってた→見られてた→\(^o^)/ (2020年7月20日 0時) (レス) id: 0b06ea8062 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - せりりんさん» コメントありがとうございます!嬉しいです(*^ ^*)更新頑張ります!! (2019年6月24日 18時) (レス) id: 17eabedad2 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 感動しました!炭治郎流石って感じです! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 凄いてんかいっすね! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月12日 0時

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