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第29話 ページ31

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「ア゙ーーーッッ!!来ないでェ!!来ないでくれェ!!やめてーーーッ!!!!」



そう半泣きで叫ぶ善逸は、もう訳がわからなくなったのか、正一くんだけでなく私の手も引いて必死に走り出した。



「おおおお美味しくない!!きっと美味しくないよ俺真面目な話!この子は痩せこけてますし、Aちゃん持病持ちだし絶対不味いから!!」

『善逸、遠回しにディスらないで…』

「でぃす…?え!?なんて!?今難しい言葉使わないで!!」



言ってから現代語だったことに気が付き、あ、と口を抑えれば、後ろでぐひぐひと笑う鬼。



「喰ってみねぇとわかんねぇだろォ!それに、その女ァ…美味そうな匂いだァ!」

「ギャーーーッ!」



鬼が舌で水瓶を割れば、私と正一くんを抱いて部屋へ飛び込む善逸。そしてそのまま立てなくなった彼。



「善逸さん立って!!」

『そうだよ!鬼が来てる!』

「はあああ!!膝にきてる!恐怖が八割膝に!!おおお俺のことは置いて行け逃げるんだAちゃんと!」

『何言ってんの善逸!』

「そんなこと出来ない!」



私も一緒に腕を引っ張るが、本当に立てないらしい善逸。

…このままじゃ鬼に追いつかれる…。



『(いや、確かこの後、善逸がちゃんと鬼を斬ってくれるけど…!!でも、もし、そうならなかったら…!!)』



ぐっ、と唇を噛み締め、背負ってた刀を腰に差せば、Aちゃん…?と弱々しく私の名前を呼ぶ善逸。



『大丈夫。"アレ"程度なら、すぐ斬れる』

「ぐひひっ生意気な女め…まァいい…お前らの脳髄を耳からぢゅるりと啜ってやるぞォ…」



鬼がそう言った瞬間、ガクン!と倒れて眠った善逸。



『!!(キタ…!)』

「善逸さん!?善逸さん!!」

『大丈夫、もう、大丈夫だよ』

「何だそいつは!!ぐひゃは!!死ね!!」



わあああ!と叫ぶ正一くんをギュッと抱きしめ、頭を丸めた時、ぶつん!と鬼の舌が斬れる。

ゆっくりと顔を上げれば、私たちを庇うように立ち上がり、ザッ…と刀を構える善逸。



「シィィィィ…」

「善逸さん…?」

『(凄い…わかる…雰囲気がまるで違う…!!)』

「雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃」



ドォン!と音が鳴ったのとほぼ同時に、鬼の頸は斬られていた。



『凄い…(これが、本物の雷の呼吸…)』



んがっ!と目を覚ました善逸の足元に鬼の頚が転がれば、死んでる!と騒ぎ、何故か私が倒したことになり、もう正一くんと共に考える事をやめた。

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ヘル - WW (2021年5月22日 0時) (レス) id: 8a8dc3fa13 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 第45話で絶対たまたまだけど名前出て一人で喜びの舞踊ってた→見られてた→\(^o^)/ (2020年7月20日 0時) (レス) id: 0b06ea8062 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - せりりんさん» コメントありがとうございます!嬉しいです(*^ ^*)更新頑張ります!! (2019年6月24日 18時) (レス) id: 17eabedad2 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 感動しました!炭治郎流石って感じです! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 凄いてんかいっすね! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月12日 0時

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