第28話 ページ30
.
『ごめんね…善逸…』
「い、い、いや!全然!めっちゃ軽いとか柔らかいとかいい匂いするとか!そんなん!全然!?」
『(善逸じゃなかったら殴ってるな…)』
と、身体がまともに動かないくらい心臓が痛み、咳き込んでしまった為、善逸におんぶしてもらいながら、玄関を探す。
「ってか、玄関何処だよ!ここか!こっちか!?」
と、適当に扉を開けていけば、ある部屋の真ん中で佇む猪の被り物を被った人間――基、嘴平伊之助が居た。
『(うおっ、いっ、伊之助!出てきた!わかってても吃驚する…!!)』
「化ケモノだァーーーッ!ギャアア!」
ドォン!バァン!と激しい音を立て何処かへ行く伊之助。そして、ビビりすぎて私を背負ってることも忘れたのがしゃがみ込んでしまった善逸。
「……」
「何だよォその目なに!?やだそんな目!」
『ぜ、善逸…アレだったら降ろしてくれて…「それは駄目だ!」
「Aちゃんに何かあったら駄目だから!」
『善逸…』
めっちゃカッコよく言ってくれてるけど…膝が震えてるよ…カッコつかないよ…。
『(まぁ、カッコつかないのは善逸のいいところか…)』
と、冷静になったところで、さっきよりも身体がラクな事に気付き、本当に大丈夫だから。と、降ろしてもらって自分で歩く。
そして、とりあえず善逸がお兄ちゃん…基、正一くんの手を握り先頭を、私が正一くんの反対の手を握り、後方を歩く。
…が、
「はぁ…はぁ…はぁ…フーーッ」
「すみません善逸さん」
「ヒャーーーッ!ウォッウォォォッ!」
『ごふっ』
…生で見ると本当に面白すぎてやばい←
咳で笑いを誤魔化し、善逸、大丈夫?と尋ねるも、既に耳に届いていないのか、正一くんにしがみついて必死に色々訴えていた。
そんな善逸の様子に正一くんも顔を青ざめて言った。
「いや、申し訳ないんですけど俺も不安になってくるので…」
「やだごめんね!でもな、でもな!?あんまり喋ったりしてると鬼とかにホラ!!見つかるかもだろ!?だから極力静かにしてた方がいいって思うの俺は!!どう!?」
と、一息で言った善逸に内心拍手を送れば、ガサッ…と真後ろで音がし、振り返ればそこに居たのは…
「子供だ…舌触りがよさそうだ…ぐひ、ぐひ…」
「ほら御覧!!出たじゃない出たじゃない!!」
『善逸、一旦落ち着こう』
「もう俺、Aちゃんが冷静すぎて怖い!!!!」
1618人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヘル - WW (2021年5月22日 0時) (レス) id: 8a8dc3fa13 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 第45話で絶対たまたまだけど名前出て一人で喜びの舞踊ってた→見られてた→\(^o^)/ (2020年7月20日 0時) (レス) id: 0b06ea8062 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - せりりんさん» コメントありがとうございます!嬉しいです(*^ ^*)更新頑張ります!! (2019年6月24日 18時) (レス) id: 17eabedad2 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 感動しました!炭治郎流石って感じです! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 凄いてんかいっすね! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月12日 0時