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第9話 ページ11

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気がつけば、鬼がこちらを睨みつけていた。

――その瞬間(・・・・)、所謂火事場の馬鹿力というやつが発揮されたのかもしれない。

じゃなきゃ、



『(今、私はここに立ってない)』



息を切らしながら、刀を手にし鬼に向かい合うように立っていた私。

…なんだ、何が起きた。今、無意識下で何をした?



「…ちょっとだけ油断したわ。でも、もう効いてきたでしょう?」

『(何を言ってるんだろう…)』



放たれた言葉を理解しようとすれば、脳がそれを拒否する。

…――脳が、身体が、本能が、私の全てが言う。



『(もっと、速く、血を、酸素を、全身へ巡らせろ)』

「貴女に纒わり付くその"粉"。皮膚に付いた瞬間、身体の先端から中心にかけて徐々に麻痺を起こすわ」

『(ああ、うるさい…)』



もっと、もっと、熱く。体温を、上げろ。



『(熱を…上げろ……)』



と、その時、ドクン、と頭に響き渡る自分の心音。

…血の流れが、酸素が流れてるのがわかる。

ふっ、と自分の中で何が切れる感じがした。



『(あっ……きた……)』

「中心まで到達すれば、心臓がピタリと止まるのよ。そうして今までの鬼狩りは死んで…」



スパン…!



『(視界が、脳がクリアだ…)』

「なッ…!(何故…もう麻痺していてもおかしくないはず…)」

『(凄い、鬼の動きが、スローモーションに見える)』

「チッ…いいわ、直接手を下してあげる。血鬼術 徒花(あだばな)

『――氷の呼吸 肆ノ型 氷肌玉骨(ひょうきぎょっこつ)



血鬼術を私の技で相殺し、一気に鬼との距離を詰める。



「(早い…!このままじゃ…!)」

『遅い』



頸に刃が届きそうになった時、鬼は手繰り寄せるような動作をすると、目の前に瀕死の鬼殺隊士が現れ、刃の軌道を瞬間で変える。

今度こそ鬼を捕らえようとすれば、ぴちょん…と上から何かが降ってきた。

肩に当たったかと思えば、じわじわと溶けていく羽織。後ろへ飛んでよければ、ぴしゃん!と足元で音がする。



『(いつの間に…)』

「ほら、花の蜜には注意しなきゃ。溶けちゃったら美味しく食べられないじゃない」

『……』

「…なあに、さっきから喋ってくれないわね。怖くなっちゃった?大丈夫、すぐ楽にしてあげる」



そう言って攻撃してくる鬼。でも、全部見えてる。今の私には。



『(蜜は身体に触れてるのに痛くない、足も腕も動く、ああ、凄い)』



――私、強くなってる。



『氷の呼吸 弐ノ型 垂氷(たるひ)

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ヘル - WW (2021年5月22日 0時) (レス) id: 8a8dc3fa13 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 第45話で絶対たまたまだけど名前出て一人で喜びの舞踊ってた→見られてた→\(^o^)/ (2020年7月20日 0時) (レス) id: 0b06ea8062 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - せりりんさん» コメントありがとうございます!嬉しいです(*^ ^*)更新頑張ります!! (2019年6月24日 18時) (レス) id: 17eabedad2 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 感動しました!炭治郎流石って感じです! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 凄いてんかいっすね! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月12日 0時

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