稲荷様 ページ20
sideシロ
『い、なり、さま？』
突如聞こえた声に足を止めて恐る恐る後ろを振り返れば、そこには凛とした立ち姿が見えた。その姿は見間違えるはずのない、私たちが大好きな主の姿だった。
「い、稲荷様。ですがそいつらは！」
「黙りなさい！何度も言ったでしょう、この子達は何も悪いことなどしていません。でなければ、私の側仕えが務まるとお思いですか？」
「･･･。」
稲荷様の言葉に私たちを追いかけていた狐たちは皆黙った。
「だいたい、貴方たち大人が悪い噂を流すから子供達がそれを鵜呑みにするんです。貴女たちは、この二人がなにかこの村にとって悪いことをしたところを見ましたか？見ていないでしょう。誰が言い出したのかはわかりませんが、見てもいない噂に惑わされるんじゃありません！まだ幼いこの子達がどれだけ傷ついてきたと思うのですか。今まで黙って見ているだけだった私にも非はあります。ごめんなさいね、二人とも。」
稲荷様が、私たちに向かって頭を下げた。その姿を見て周りの大人達が焦った顔をした。当然だ。私たちも驚いている。稲荷様は、私たち狐の長だ。一番偉い人だ。そんな人がただの側仕えの私たちに向かって頭を下げたのだ。
『い、稲荷様。いけません。私たちは大丈夫ですから！』
『そうです！私たちには稲荷様やとと様とかか様がいたから、だから、寂しくなんてありませんでした！』
私たちは必死に稲荷様に自分の気持ちを伝えた。頭がぐるぐるして言葉がなかなか出てこなくてもどかしい。
「貴方たちは、とても優しい子ですね。」
稲荷様は、私たちに向かって優しく微笑むと私とユキを抱きしめてくれた。一瞬何が起きているのか分からなかったけど抱きしめられたと理解した瞬間、私たちの目から涙が溢れ出した。
「今までよく頑張りました。もう大丈夫ですよ。･･･貴方たちも、金輪際この子達を迫害するような真似はしないように。」
しばらくすれば、周りの気配がなくなった。
「さて、貴女たちはどうしたんですか？急にいなくなって心配しましたよ。貴女のお父様とお母様も酷く心配なさってました。」
『『！稲荷様！助けてください！』』
そこで私たちはようやくここに来た目的を稲荷様に話した。今までのことも。
「そうですか。貴方たちは優しい人間に会うことができたのですね。わかりました。貴方たちを助けていただいたお礼です。二人に魔を払う力を授けます。その方達を助けておいで。」
『『はい！！』』
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真柴白 - どうして、終わり何ですか？続き気になります！！更新待ってます！！頑張って下さい！！ (2021年1月14日 3時) (
レス) id: b8cb4c9ad0 (このIDを非表示/違反報告)
りぼん(プロフ) - とっても続きが気になります‥‥‥…！！！更新頑張って下さい！！！！ (2020年6月22日 11時) (レス) id: 597f7a3cde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨星 | 作成日時：2020年6月13日 22時
