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お正月明けの初登校の日。
この日は、やけに肌寒く外にはチラチラと雪が降っていた。

あー、またあの侮辱の1日が始まるのか、なんて思うと憂鬱で自然とため息が出る。
幼馴染の坂田の部屋に入れてもらって、気持ち良さそうに寝息を立てる彼の布団を剥がしてやった





さ「さむぅ、やめてや、布団返してー」




目を瞑ったまま、私の持っている布団をズルズルともとの場所へと引き戻そうとする彼の頬をべちんっと両手で軽く叩くと、驚いたように目をパチリと開けた。



さ「あれ?Aなんか太った?正月太りってやつ??」

『うっさい、もう坂田なんか知らない。明日から起こしてやんなーい』




そういって、プイッと知らんぷりして出ていこうとすると、ごめん!なんて後ろから抱きついてくる。
彼、坂田悠は、思ったことをすぐ口に出してしまう癖があって、今みたいになんの躊躇もなく、太った?なんて聞いてくるのだ。




『公園で待ってるから用意終わったらきてね』




彼は、小学生のまま時間が止まっているのではないか、と時々思うことがある。
何かとボディータッチが多いところとか、無邪気なところとか。
男の子の精神年齢は低いって言うけど、彼の場合、低すぎる。



家を出て、近くの公園のベンチへと腰を下ろした。
口から出た白い息がフワフワと漂って空気の中に溶けていく。ふと、後ろから低い声が聞こえた。




「うわ、最悪やん」



クルッと振り返ると、薄紫色のマフラーを首に巻きながら、ポッケに手を突っ込み、ヘッドホンを首にかけるという、いかにもアニメに出てきそうな男の子がすらりと立っていた。


綺麗に紫色に染め上げられた髪に、透き通った青紫色の瞳。そして、左目尻についたホクロ。
間違いなく志麻くんだった。
 



し「正月太りして、余計にブスになったんじゃないすか?せんぱーい」


『おはよ、志麻くん。先輩はおちょくらないよーに。』


し「てか、先輩ボッチなん?」


『ボッチじゃないし!その前に敬語!さっき使えてたのに。』





彼は志麻くん。
まぁ、見ての通りの超毒舌後輩。
同じ部活の後輩で、出会ったときは、かなりいい子だったはずだったんだけど。
同級生の子の情報によると、結構モテているらしく、王子様とか呼ばれてるとか呼ばれてないとか。


誰もが納得するほどのイケメンさだし、モテるだろうけど…。




し「じゃ、またね、先輩」

『はぁ…。敬語、よろしくね』

し「はいはーい」



この毒舌は直してほしい

2→



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設定タグ:浦島坂田船 , 毒舌 , 歌い手
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タシア松(プロフ) - ぽにょさん» ありがとうございます!!最高の褒め言葉です、 (2022年9月25日 20時) (レス) id: d89a5c0024 (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょ - 1話1話見るごとにきゅんきゅんしてもう最高です_:(´ཀ`」 ∠): (2022年8月8日 18時) (レス) @page14 id: b0029b04cd (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 紫苑さん» コメントありがとうございます!すごい嬉しいです!!!ありがとうございます!!この作品を好きだと感じてもらえることができてよかったです! (2021年10月26日 6時) (レス) id: 63758ca099 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - な、な、な、なんだこの……神作者と神作品は!? (2021年10月26日 2時) (携帯から) (レス) id: d13b409c87 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 乘肄さん» 最高のお言葉ありがとうございます!! 完璧にかけたのなら幸いです、これからも日々成長していけるよう頑張りますので、よろしくお願いします (2020年5月19日 22時) (レス) id: 73485a3048 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タシア松 | 作成日時:2020年1月12日 23時

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