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「え、ねぇねぇAちゃんって、あの人たちと友達なの?」
数人の女子たちが私の机の周りに集っては、センラさんたちのことを聞く。
不良だってことを忘れて、彼女たちは、顔がいい。ただそれだけを理由にベタベタとくっつくのだ。
さとちゃんもセンラさんに怒られたのに、もうケロッとして、彼らの周りにいるし。
『友達じゃないよ』
セ「えぇ、友達やないの?」
ヘラヘラと呑気に笑いながら、私のもとへと歩いてくる彼。
私の周りの女子たちはキャーキャーと黄色い声で騒ぎ出す、私の耳壊れるっつーの。
彼の顔も満更でも無さそうだし、この状況楽しんでるだけなんだろうなー、なんて。
セ「みんな名前なんてゆうん?」
一人ひとり名前を聞いては、覚えた!なんて、ニコッと微笑む。
不良はチャラいってイメージあったけど、ほんとにそうだったんだ。とか思いながら、行く宛もなく立ち上がって歩きだした。
う「大変そうだな」
『うらたさんも大変そうですね』
突然現れたうらたさんに苦笑いでそう言うと、俺女の子苦手でさー、とかケラケラと笑いながら私の隣を歩く。
センラさんと違って最初から私の歩幅に合わせてくれた
う「なぁ、そのうらたさんってのやめよ。」
『…はぁ』
う「わたるって呼んで」
『わたる…?』
う「そう!ふふ、Aちゃんだけ特別だから!」
『あ、ありがとうございます』
こんな"特別"なんて扱いされるのは、初めてでなんだか少し恥ずかしくて、足早に教室へと戻った。
教室に戻ると、私が入った瞬間シーンっと静まり返った。
何事?と思って、ゆっくりと教室に足を踏み入れると、グイッと肩を寄せられて、ふにゃと柔らかい何かが唇に当たった。
ふわりと香った少し覚えのある香り。
香水とかそんな甘い香りじゃなくて、シャンプーのようなスッキリとした香りだった。
何も状況を把握できない私は、ただ呆然とすることしかできない。
さ「今のキスでわかったやろ!だからもう付きまとわんとって!」
キス。その言葉が頭の中でぐるぐると回って、あの唇の感覚を思い出した瞬間、頭に血が登る感覚がした。
ぶわぁぁと顔が熱くなって、冷静でいられない
さ「ごめん、僕女の子苦手やねん。だから、離れさすためにしただけやから気にせんとってな」
そうコソッと耳元で言われたこともあまり頭に入らなかった。
ただ、センラさんのあの視線は私の脳にしっかりと、こびりついた。
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タシア松(プロフ) - 紫苑さん» こちらにもコメントしていただいてホントに感謝しかないです、、。ゆっくり更新ですが、これからもよろしくお願いします (2021年10月26日 6時) (レス) id: 63758ca099 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - ドソキでツボっちゃいましたWとても面白かったです!これからも面白い作品待ってます! (2021年10月26日 1時) (携帯から) (レス) id: d13b409c87 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - ちょこまみれさん» ありがとうございます! (2021年1月24日 13時) (レス) id: 2434cd9a85 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこまみれ(プロフ) - 素敵です (2021年1月24日 13時) (レス) id: 53f0e78d36 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - さとうさんさん» ハラハラできるようにかけていたなら良かったです…。少し自信がなかったので、。嬉しい褒め言葉本当にありがとうございます!これからも日々成長していけるよう頑張りますので、よろしくお願いします!! (2020年3月29日 12時) (レス) id: 73485a3048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タシア松 | 作成日時:2019年12月21日 19時