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泣きそうなほどの頭痛といつもより重い体で目を覚ました。
ベッドから身体を起こすと、クラっと視界が歪んで体に力が入らない。
壁に寄りかかりながら、朝ごはんの卵焼きの匂いがするキッチンへと歩いて、お母さんに声をかけると、目を見開いて、走ってきてくれる。
母「すごい熱…。今日は休んだほうがいいわね。」
『でも、行かないと…。』
母「こんな状態で行けるわけないでしょ、ほら、お粥作ってあげるから、ベッド行こっか。」
行かないとセンラさんをさとちゃんに取られちゃう。
勉強私が教えてあげないと、みんなついていけない。
でも、体は動かない
大人しくベッドに身体を預けると、どこかへ行って戻ってきたお母さんは、私のおでこに濡らしたタオルを置いて、風邪薬を飲ませてくれた。
『ありがと、ごめんね』
母「いいのよ。お粥作ってくるから待っててね」
『うん。』
知恵熱、とでも言うのだろうか。冬の寒い時期なのに、熱い体がどうも違和感で、頭がうまく回らない。
しばらく待つと、お粥をもったお母さんが入ってきた。
お腹はしんどくても空くもんだ。
簡単にたいらげると、満腹になったからか、たくさん寝たはずなのに、また瞼が降りてきて、もう一度、暗闇の中に吸い込まれていった。
インターホンの音で私は目を覚ました。
時計を見ると、6時頃。扉の開く音が聞こえて、何人かの話し声が聞こえたと思うと、階段を登ってくる音が聞こえた。
ガチャと開いた扉の奥には、わたると志麻さん。さらには、坂田さんが立っている。
黄色い髪の毛は、見えない。
う「よっ、大丈夫か?」
さ「休みやったから心配してきたんやけど、ヨーグルトとか食べれる?」
『ありがと。寝たら少しマシになった。
ヨーグルト食べたいな』
し「あっ、起きれる?」
そう言いながら、身体を軽く支えてくれる志麻さんは、本当にカッコイイ。
『センラさんは…?』
う「知らね、なんか用事あるんだって」
さ「珍しいよなぁ、センラに用事があるなんて」
し「今日様子おかしかったもんな。なんかあったんちゃう?Aちゃんなんかしらん?」
『……えっと、しらない…かな』
し「そう?ならホンマに用事なんかな」
坂田さんの前でなんか言えない。
さ「あっ、Aちゃんにこれ。」
『…手紙?』
さ「うん、俺らが帰ったら読んでほしいねん」
『わかった』
今の私には、この手紙を開けることがすごく怖かった。
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タシア松(プロフ) - 紫苑さん» こちらにもコメントしていただいてホントに感謝しかないです、、。ゆっくり更新ですが、これからもよろしくお願いします (2021年10月26日 6時) (レス) id: 63758ca099 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - ドソキでツボっちゃいましたWとても面白かったです!これからも面白い作品待ってます! (2021年10月26日 1時) (携帯から) (レス) id: d13b409c87 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - ちょこまみれさん» ありがとうございます! (2021年1月24日 13時) (レス) id: 2434cd9a85 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこまみれ(プロフ) - 素敵です (2021年1月24日 13時) (レス) id: 53f0e78d36 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - さとうさんさん» ハラハラできるようにかけていたなら良かったです…。少し自信がなかったので、。嬉しい褒め言葉本当にありがとうございます!これからも日々成長していけるよう頑張りますので、よろしくお願いします!! (2020年3月29日 12時) (レス) id: 73485a3048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タシア松 | 作成日時:2019年12月21日 19時