不良少年【センラ】

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『えーっと、ここは…』


昨日よりも集中力の続く坂田さん。
そして、理解するスピードが尋常じゃないわたるに、意外と問題の解ける志麻さん。

今日の勉強会はやりやすい。

まぁ、坂田さんの場合は、お菓子があるから頑張れてるってところなのかな。


ピロンッと通知音がなって、スマホを確認するとさとちゃんからメッセージがきていた。


さとやばい、今日センラくんの家にお泊りするかも!


『はぁぁぁあ！？』



突然大声を出したもんだから、3人とも目を見開いてこちらを見ていた。
心配の声まで飛んできて、集中してるところで大声を出したことに凄い罪悪感を感じる。


う「ふーん、そういうことか」

『あっ、勝手に見ないでくださいよ！』

う「ごめん、見るつもりは無かったけど見えちゃった」

『バレバレの嘘つかないでください…。』



ぺろっと舌を出してウインクする姿が可愛くて許してしまうけど、多分これは誰がされても許してしまうであろう。

なになにー？なんてふたりも私のスマホを見て、へぇ、とニヤリと微笑んでから、3人は顔を見合わせた。



う「俺らもお泊りする？」

さ「いいやん！楽しそう！」

し「もちろんAちゃんもするよな？」

『…いえ、しません。』




そもそも着替えもなんにも持っていない状態でお泊りなんて出来るわけがないし、金曜日は家でポテチでも食べながら1週間お疲れ様会を一人で開く予定なのだ。

きっぱりと断るも、しつこくお願いしてくる彼ら。何度言われても私はめげないし、お泊りする気もない。




さ「お泊りしてくれへんのやったらまたキスすんで」

『お泊りします。させていただきます。
よろしくお願いします。』

し「っしゃ、うらたさんの家でお泊りー！」

『じゃあ、何個か質問いいですか？』

う「うん」



着替えはどうするのか。
家族の方にご迷惑をおかけしないのか。
そして、寝るところはあるのか。

一つひとつ丁寧に聞くと、当たり前かのように答えた。


う「着替えとかは、こいつらも買わなきゃいけないから、買いに行こ。
で、俺一人暮らしだから大丈夫。
それに、寝るところなんていくらでもあるから」

さ「そんな心配せんくていいねんで！」

し「うわぁ、お泊り会とか楽しみやわ」

『あ、そうですか』



この質問で、どれか無理だ言う事に気づいてお泊り中止ということも願っていた私としては、少し辛い結果となってしまった。


『お泊り…かぁ』

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