【小説】ネクサス魔法武術学園2 (ページ8)

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自己紹介というのは、面倒だね(黎明) ページ8

数十分前。

「―――です、よろしくお願いします」

前の席の人が自己紹介を終え、座る。
レイメイはゆっくりと立ち上がって、口を……

開かなかった。

『これなるは黒字レイメイ！ゲームが趣味のしがないわたくしめの主人であります！
少々無口でございますが、仲良くしていただけると嬉しいですぞ！
あ、わたくしめは相棒の雪影、以後お見知りおきを！』

全部雪影に喋らせ、レイメイはそのまま席につく。

周りからは

「え……喋らないの本人」「あの狐かわいそう……」

という声や

「あー……相変わらず」「仕方ないか……」

という声が聞こえる。

レイメイは素知らぬ顔で、次の自己紹介を黙って聞いていたのだった。

＊＊＊
そして現在。

レイメイは自室にて転がっていた。

『レイメイ様！レイメイ様！』
「…………」

何、とレイメイは雪影のほうを向く。

『アリア様の部屋へ行くのではなかったのですか！？』
「……めんどくなった」
『おや、レイメイ様やっと喋っ……って、自己紹介の時に喋ってくださいませ！！』

うるさいなあ、と尻尾を鷲掴みにし雪影をベッドの中へと誘うレイメイ。

『何をします！あっ、あー……』
「……」

撫でくりまわされ気持ちよさそうに尻尾を振り始める雪影に満足し、レイメイはそのまま眠りについた……

今夜はいい夢が見れそうだ、と思いながら。