照れ隠し(日下部 輝鞠) ページ22
「………困惑。ここは一体…?」
目を開けたら見知らぬ部屋、なんて今時流行らないと思う。ツンとくる薬品の匂いは間違いなく保健室のものなのだが、輝鞠は保健室の存在など綺麗さっぱり忘れていたのである。
「あ。挨拶。おはようございます、二人とも」
とりあえずそばにいた美夜と祐莉に挨拶する。大方この二人が運んでくれたのだろう。それ以外に自分が保健室で寝ていた理由は見当たらない。
寝起きでぼーっとする頭でなんとか昨日の出来事を思い出そうとするも、全く思い出せない。どうでもいいことはものの五分で忘れてしまうのは輝鞠の悪い癖だ。
とにかく風呂に入っていないせいで髪がベタベタして気持ち悪いので、この前裕莉に頼まれて作った水魔法で体をう洗おうとした。
「詠唱。『水よ、我の体を清めよ』…ゲホッ」
詠唱し終わると同時に咳き込んでしまった。正直恥ずかしい。道端で倒れても恥じらわないくせに、こういう時に限って女の子らしくなるのだから。
流石に二日連続で欠席するわけにもいかない。本当は自室に戻って研究を進めたかったが、まぁ仕方ない。つまらない授業を受けるべく、教室へと足を進めた。もちろん祐莉たちに礼は言った。頬が暑かったのは、きっと気のせい。
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周(プロフ) - 終わりました (2017年1月1日 23時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
周(プロフ) - 更新します (2017年1月1日 17時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
チェス盤(プロフ) - 更新しましたー (2016年12月23日 13時) (レス) id: e293136629 (このIDを非表示/違反報告)
チェス盤(プロフ) - 更新します (2016年12月23日 13時) (レス) id: e293136629 (このIDを非表示/違反報告)
歌菜子 - 終わりました (2016年12月21日 20時) (レス) id: beed06bc94 (このIDを非表示/違反報告)
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