学園生活について(ウィスティアリア・ホープ) ページ3
「...そういえば、さっきの子一年生の教室の方から走って来たような?」
先程すれ違った生徒を思いつつも、チャイムが鳴ると同時にウィスティアリアは一年生の教室へと入った。
「はい、じゃあ号令を...かける人が決まってないから私がしようか。起立、礼、着席」
お願いします、と頭を下げた一年生を見回して、ウィスティアリアは口を開いた。
「さっきも言ったけど、今日から私が君たちの担任です。名前はウィスティアリア・ホープ。長いからアリア先生って略してね。自己紹介はしちゃったし、この時間は学園の説明をするんだけど...、皆大体知ってるんだよねぇ」
そう呟きつつ背後を向き、アリアはどこからか万年筆を取り出した。さらに左手でチョークを一つ摘み上げ、さらさらと何かを書き付けていく。
『宙に浮き、言の葉を記せ』
すると、ふわりとまるで意思を持つかの様にチョークが宙に浮き、黒板へと向かった。
その様子を見て、よしと頷いたアリアが前を向く。
「さて、説明を始めようか。...まず、今私が使った万年筆。これが私の武器になる。大元となる魔法棒は、君たちにはもう配られたのかな? それともまだ貰ってないのか...、まあどっちでもいいけど」
くるくると回していた万年筆を見せるように掲げれば、生徒の視線が面白いほどに集まった。
「魔法は皆わかってるよね? 次、相棒について。いる人といない人がいるみたいだけど、学園生活の途中で出来たならちゃんと報告してね? でないと解剖しちゃうから」
カツカツとチョークが動き、要点だけを抜き出して黒板に文字がつづられる。
何人かがアリアの言葉に驚いた顔をしたものの、平然と説明を続けるアリアを見て聞き間違いかと首を傾げた。そしてそんな生徒を視界に認めながら、アリアは話を続ける。
「私も相棒はいるんだけど、5メートル位の蛇でね、綺麗な黒い大蛇だよ。教室で見かけても悲鳴はあげないように。襲ったりしないから安心してね」
「...先生、相棒が襲われたりは」
「大丈夫、お肉は焼いた方が好きって言ってたから」
問いを発した生徒に答えになっていない答えを返し、その後いくつかの説明や注意をして、アリアは話を止めた。
ぱちりと指を鳴らせばチョークが元あった場所へと戻って行く。
「えーっと、話すことはこれ位かな。質問ある子いるー?」
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周(プロフ) - 終わりました (2017年1月1日 23時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
周(プロフ) - 更新します (2017年1月1日 17時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
チェス盤(プロフ) - 更新しましたー (2016年12月23日 13時) (レス) id: e293136629 (このIDを非表示/違反報告)
チェス盤(プロフ) - 更新します (2016年12月23日 13時) (レス) id: e293136629 (このIDを非表示/違反報告)
歌菜子 - 終わりました (2016年12月21日 20時) (レス) id: beed06bc94 (このIDを非表示/違反報告)
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