甘い香りに包まれて。【短編集】

＊天月：気付いて ページ14

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　じゃ、置いとくね。なんて言われて我が家に置いて行かれる紙袋とチョコレートたち。

　さてと、早く傷むものと長持ちするもので分けないとね。



　リビングの机にチョコレートを広げて選別してれば、部屋中甘い香り。


　「お、またやってんの？」

　「お兄ちゃんおかえり。」


　相変わらずだなーと笑う我が兄は、今年はチョコ貰えたんだろうか。

　…聞いたら怒られそうだから、何も聞かないでおこう。



　「にしても、毎年お前にくれるよな。」

　「甘いの好きじゃないんだってさ。」



　「…は？」

　「は？」



　何その反応。

　ぽかんとした表情のお兄ちゃんの口に誰からのか分かんない生チョコを放り込んだ。可愛いラッピングされてるな。



　「…うま。じゃなくて、」

　「何。」

　「誰が甘いの好きじゃないって？」

　「天月以外いないでしょ。」



　この話の流れで天月じゃなかったらむしろ怖い。…あ、この生チョコ美味しい。

　今年結構、日持ちしないの多そうだな。太ったら天月に文句言おう。


　「…この前、飯行ったとき、デザートにパフェ食ってたけど。」


　「…は？」


　パフェ…？

　生クリームが乗った甘いやつだよね？

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