＊ ページ18
…
力の抜けたカラダを引きずり、ベッドに押し倒した。
ひかるはスカーフで出来たような薄手のブラウスの
乱れた襟元を片手で押さえ、胸で浅く息をしている。
「……なにすんだよ、もぉ…っ」
ひかるはうるんだ目を手の甲で覆った。
なるたけ優しく片手ずつはずし、片手ずつシーツに
縫いつけると、出会った日に覚えた、手に入れたい
って気持ちがふくらみ、胸が塞がれ、苦しくなった。
ひかるも、ひかるの才能も、ぜんぶ俺のもんだ＿＿。
「俺、お前が欲しい」
かすれた声しか出なかった。
ひかるはぶわっ、と目を見開いて、鈴みたいな瞳が
ごろごろ揺れている。
「全部、俺のもんにしたい」
するっ、と逃げだしそうな視線をほどけないように
絡めた。ひかるは吹けば消えそうな不安定な表情で
薄く唇を開いて言った。
「それって、好きってこと？」
「……いちいち言わせんな…」
欲しがりな唇にやわやわ口づけた。
ひかるは不服そうに、しょうがないなぁ、って顔で
グミみたいに湿った唇を尖らせている。
「言ってよ……おれには色々言わせるくせに…」
ひかるは俺の下唇を甘噛みして、首にぎゅう、っと
抱きついた。それから、耳元で「電気消して…」と
囁かれ、いやでも背筋がゾクゾクした。
「あっ、それ…っ」
「…ここ好き？」
「っ、うん…っ…」
男を抱くことに関して、俺は教えられる立場だった。
月明りも届かない真っ暗な部屋で手探り状態の俺を
ひかるは繊細な声や指を使って上手に導いてくれた。
張り詰めた俺のモノをするする、と片手で宥めては
ここだよ、と入り口に連れていく。
「……痛い？」
「んーんっ……気持ちい…っ…」
暗闇に目が慣れた頃、男同士の行為にもそうなれた。
男ってやつは厄介なもんで、余裕が生まれて出来た
余白には、じくじく悪戯心が染み出してくるものだ。
「あっめんぼ…っ、赤いなっ…あっうえお…っ」
「ほら、もっと腹から声出して」
「あっ、だめ、お腹…っ、押しゃない…で…っ」
いつもの早口言葉や発声練習。
恥ずかしがる表情や、感じて上手く言えない仕草に
変態じみた興奮を覚えてしまう。
そんな変態じみた遊びを強要されている、ひかるも
然りだ。
「ひかるって意地悪されんの好きなんだな」
「っ、好きじゃないし…っ」
奥がきゅうきゅう、締まって、素直に返事を寄こす。
必死で強がってる顔が可愛くて、そのまま抱きあげ、
膝の上に乗せた。
汗だくのキスを貪りあうと、もうここらで限界だと
思っていた俺の天井が、いとも簡単に突き破られる。
…
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しょこる(プロフ) - しろくまさん» ありがとうございます★ダイヤモンドのように硬くて誰にも壊せない絆を描けて満足です^^次のステージにすすんだ２人に幸あれ☆彡 (2020年6月17日 17時) (
レス) id: 93d8c8f749 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - 完結、おめでとうございます。キュンキュン、ハラハラ、不器用な2人のキラキラ光る恋に魅了されました。ダイヤモンドにも負けない輝きを放つ２人の人生に全力で拍手を送ります！素敵なお話をありがとうございました。 (2020年6月11日 21時) (レス) id: 690493538b (このIDを非表示/違反報告)
しょこる(プロフ) - しろくまさん» ダイヤモンドは綺麗なだけじゃなくて、外から簡単に傷つけることができない硬さも魅力ですからね＊残り数ページ、ふたりのキラキラの行方を見届けてください(-人-) (2020年4月28日 14時) (レス) id: 93d8c8f749 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - か弱そうに見えて、その実ダイヤモンドのように硬質な輝きを放つひかちゃんに心奪われます。どうかこの二人がきらめく舞台を続けていけますように…！！ (2020年4月5日 20時) (レス) id: 690493538b (このIDを非表示/違反報告)
しょこる(プロフ) - きょーかさん» こちらこそいつもコメントありがとうございます＊お話も佳境に入ってきたのでどんどん書き進めていきます^^ (2020年3月26日 18時) (レス) id: 93d8c8f749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しょこる
| 作成日時：2019年7月27日 22時
