英雄ヒーロー3 (ページ49)

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英雄128 ページ49

放課後

「…………」

日は暮れ校内の生徒は次々と帰宅していくそんな中

下駄箱で1人、暮れる日を浴びて誰かを待っていた

ボーッと
ただただ沈んでいくだけの太陽を横目に見ながら

麗日「へぇー！指名来たんだ！
良かったね、デクくん！！」

緑谷「う、うん…！」

するとそこに、麗日と緑谷がやって来る

飯田の下駄箱を開けて、帰宅したことを残念がり帰ろうとしていた

緑谷「あっ、Aちゃん」

麗日「Aちゃんも今から帰るん？」

「………」

話しかけられたAは緑谷のことをジトっと見ながら目で語っていた

その目はまるで、話すんじゃないのとでも言うように

緑谷「え、えっとぉ………ぁ」

緑谷はそんな目を見てなんだっけと思い出し、少し記憶を探るとすぐに出てきたようで小さな声を出した

「……はぁ」

Aはその様子を見てため息を零し、先に歩いていってしまった

緑谷「えっあっちょ！？ま！！
ううう麗日さん、ごめんね！！？
先約が！！！！」

麗日「ええよ！ええよ！
早く行ってあげて！」

緑谷は少し早歩きで歩いているAを追いかけ、隣を歩いた

あくまでもAは前を向いて歩いているが、何処か不機嫌そうな空気を出していたがそれはすぐ収まる

緑谷「ご、ごめんね…Aちゃん……」

「…………」

緑谷「…………体育祭のこと、それから昔の話も聞いた…」

「………だろうね」

少しずつ普段の歩くスピードになっていく

緑谷｢どうして、何も言ってくれないの｣

｢………｣

緑谷｢体育祭の次の日、アビーさんとジャックさんが僕ん家に来てAちゃんの家に行った
両儀さんに案内されて部屋に入ったら、今にも消えそうなくらい白い君がいた…

ｯどうしてっ、僕は君の友達なのに
何も出来ないんだろうって自分を責めたっ！｣

緑谷は目に涙を溜めながら話す

足の歩みはそれと比例してだんだん遅くなり、止まった

Aもまたそれに合わせて止まる

緑谷｢僕はまだ、君のことを知らない
周りに比べたらそりゃあ知ってるけど…！
っ……知らないことばかりだッ…｣

｢………｣

緑谷｢君がもしまた困っている時…ｯその時に！何も知らないままの僕が、どうやって君を助ければいいんだよっ…！｣