英雄ヒーロー3 (ページ36)

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英雄へ1 ※注意ページ36

一部グロテスクな表現があります

予めご了承ください

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Aにはちゃんと両親がいた

両親は共にアルビノで、世にも珍しいアルビノの家族だった

そんな家族に生まれたAは3歳の頃に家族旅行に東アフリカに出掛けた

何故そこに向かったのかは謎だが、幼いながらもAは両親と笑い合い幸せだった

だが、そんな時を過ごせたのもつかの間だった

ある“事件”が起きたのだ

アルビノ狩りを知っていますか？

東アフリカでは古くからアルビノの身体には特別な力が宿っているという“迷信”が広まっています。

彼らアルビノの手足や臓器など、身体の一部をお守りとして持つと、富、幸福、愛などもたらしてくれると信じられています。

そんな東アフリカ地域にはアルビノの身体の部位が高額で取引される“ブラックマーケット”が存在

身体のどの部位であっても、一律役900万円の報酬が支払われていると言われています。

高額報酬に目がくらんだ犯罪者が残酷な“事件”を起こしている。

そう。この事件に巻き込まれたのです

知らなかったわけではないでしょう

ですが、自ら足を運んだのはそういう事だったのでしょうか

いえ、それはとうの昔に“なくなった”と思っていたのです

今は個性というものがある時代

どんなに富や幸福や愛などを求めても、個性でどうにかなるの時代

ですが、やはりそういう者はいるもので自分達がアルビノという存在故に巻き込まれた

Aと両親は別々の檻に入れられ、Aの目の前で両親は無惨に亡くなった

身体をバラバラにし、臓器を丁寧に取り除き容器に入れる

Aの耳には“音”が残り、鼻には“匂い”が残り、目には“色”が残った

両親の身体を切られ、臓器を取り出す音

鼻が曲がりそうな鉄の匂い

バラバラになった身体と血と刃物の色

全てが幼いAの頭に残る他なかった

そんな光景を前にAは一体何を思えばいいのか

次は自分に向けられた刃物は両親の血で汚れていた

両親はバラバラにされブラックマーケットに出品され、Aはそのまま生きたまま出品された

目の前で付けられる両親であろう“物たち”

その目には既に光はない