佐久間さんちは今日も幸せ11 (ページ11)

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さっそく玉森が番組のプロデューサーに電話をしてくれて、近いうちに彼とテレビ局に行くことになった。

玉「プロデューサーさん、今度ちゃんと面接の場を設けてくれるって」

亮「本当ですか、ありがとうございます」

玉「でもほぼ決まりだと思うよ」

亮「いえいえ、それはまだ分かりませんって」

自分なりに考えて出した返事だけど、今更ながらちゃんと仕事が務まるんだろうか…と急に不安になってくる。

学生を相手に話すのは慣れているけど、テレビの前に立つのとはわけが違う。

(まぁ、なるようにしかならないかぁ)

気付けば次の講義の時間が近づいていて、腕時計を見ながら腰を浮かせた。

亮「玉森先生、俺そろそろ次の講義の準備があるんで失礼しますね」

玉「うん、またこちらから連絡するよ。日にちが決まったら知らせるから」

亮「はい、分かりました」

＊＊＊＊＊

浮「阿部先生、芸能界に入るんですか？」

亮「は？」

浮「だって玉森先生のツテでテレビに出るんでしょ？」

亮「テレビに出るって言ってもお天気コーナーだけだよ。時間にしたら大したことないし、それに週に1回だって」

浮「.........ふぅん。そうなんですね」

ひとりごとのようにポツリと呟いた浮所は、少しだけ考える素振りをすると、そのまま教室の方にいってしまった。