How？ �� T ページ42
ハンバーグってご馳走。
宮田の大好物。俺も好き。
《よしっ、俺の初ハンバーグ！タマの為に作るから待ってて！》
昔、宮田が最初に作ってくれたハンバーグはフライパンいっぱいの大きさ。男の夢…いや、子どもの夢か。
が、残念ながら思いっきり生焼けだったから切り分けてまた焼いたな。ハーブなんかも入れてくれたけど、入れすぎて畳の味がした。
思えばあの時、この人ガッカリしすぎて料理に希望が持てなくなったのかも？
でも、実は年に１〜２回くらい作ってくれることがある。
…えらいもんで、一応成長してんの。なんだか妙に美味しいんだよねー。すっごいもの入れる訳じゃないんだけどな。味付けだって塩コショウくらい？あとはケチャップ。
焦げてる時もあるけどさ、四苦八苦しながら作ってくれてる姿が愛おしいからか、俺の中ではそれが結構ご馳走なの。
……なんだかお腹減ってきちゃったぜ。
なんでこんなこと考えてるかというと、今レギュラー番組の収録でゲームをやってるから。
お互いの価値観が分かるゲームって触れ込みなんだけど、１〜１００までの中から自分が密かに引いたカードの数字に合わせて、テーマに沿った物事を披露、そして数字の高低を当て合うの。
例えば、テーマ《乗り物》なら、５は三輪車、５０は乗用車、１００は宇宙船みたいにね。
で、テーマは《彼女に作ってもらえたら嬉しい手料理》。
宮田の回答は…
『カレー！』
最近作んないなぁ。一回スープカレーは作ったか。
番組で食べて美味しかったから。２人の大好きなおナス入れて。
そうだ、カレー粉余ってるから、今度ポップコーンの味付けに使おう。カレー炒飯もいいかも。
俺の数字はかなり高い。９０。
ん〜、特別な彼女のお料理って、やっぱアレかなぁ。すっごい頑張って作ってくれるし、こいつ１週間くらい前から《作るね！》って宣言して用意するし。
彼女…てか、彼氏？ま、そこはいっか。
『ハンバーグ！』
……え？ハンバーグって普通！？
そうか、宮田を基準にしちゃダメなんだ。俺たちの基準がみんなの基準じゃないもんね。
『…また作るわ、ハンバーグ。』
休憩中、宮田にこっそり囁かれた。
んふふ。俺の意図分かっちゃったか。
俺たち基準のご馳走は、２人にしか分かんないけど、まあ、２人なら何でもご馳走になる。
あれ？待てよ？宮田の中で、彼女(彼氏)のカレーって２５点…まさかあのスープカレー、嬉しくなかった？？不味かったの！？
……むぅ。
fin.
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作者名：みあん | 作成日時：2021年5月11日 23時
