I need you！ vol.2 (ページ24)

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Wow！！ページ24

いい気分どぇ〜す。酔っ払ってむぁ〜す。

沖縄の別荘借り切って撮影で〜す。
撮影終わった後は〜、メンバーたちと飲んだり食べたり笑ったり〜…叩いて被ってジャンケンポンしたり〜…とにかく楽しくて面白かったぁ。

僕は酔っ払っちったのでぇ、寝る前に夜風に当たりに来・ま・し・たぁ。あっちじゃ、まだ上司たちと北山さんとかが飲んでるからぁ、あっちの庭には行けましぇ〜ん。

あー、気持ちいい…月に照らされた海岸線と光る波が素敵〜！
…ふぅ、この仕事できて良かったなぁ…。まだ怒られることもあるけど、チームのスタッフは仲良しだし熱量あるし。担当してるメンバーもいい人たちで真面目で熱くて。

ふらふらぐるぐる歩き回ってたらちょっと酔いが覚めたので、庭の隅に座って海を眺めた。
背後には宮田さんの小さなテント。罰ゲームでひとりだけ庭のテントで寝てもらう。

撮れ高できたから部屋に入ってもいいよ、と上司に言われてたけど、宮田さんは笑いながら、《ベッド足りないし、スタッフさんみんな雑魚寝でしょ？俺、テントで寝てみたかったからいいよ〜》と、パジャマに着替えてテントに入っていった。プロだなぁ…優しいなぁ。

まあ、朝、寝起きドッキリするからありがたいんだけど。

そんなことを考えながら海を見てたら、背後でファスナーの音がして、宮田さんの驚いた声が聞こえた。

何だ？テントの入口の音だよな？話し声？
そっとテントに近付いて、中の物音に聞き耳を立てる。泥棒…とか？

『しょうがねぇ。しばらく一緒にいてやる。』
『あー、びっくりした。何、俺が恋しくなっちゃった？』
『…ニカがむにゃむにゃうっさいから出てきただけだし。』
『はい。おいで、寒がりさん。月綺麗だよ〜。このテント天井から夜空見られるの。』
『ホントだ、いいねぇ…あ、寝袋俺ばっかり着てるし。寒くない？』
『俺は暑がりだから大丈…っくしゅ！』
『ったく。……ほい…あったかいべ？』
『…見られちゃうよ？』

『んふふ…お月様、綺麗だねぇ。』
『……ん。綺麗だねぇ。』

優しい２人の話し声が心地良い。
好きだなぁ、この２人の空気感。
何かもう、色々超越した穏やかな愛情が胸を打つ。

見上げれば、そこには美しい満月。
彼方には北斗七星が見える。

僕たちは小さな名もない星だけど、あの７つの星をもっと輝かせる為に、自分なりに精一杯輝かなきゃなぁ…。

僕は、満月の明るい夜空でも尚、優しく強く煌めく北斗七星にぼんやりと思いを寄せた。

fin.