ひとくふう荘14 (ページ29)

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ガヤさんが呟くと…。

『…あっ！！』

…何故か、タマさんが椅子を蹴飛ばさんばかりの勢いで突如立ち上がった。

『《出会い》で思い出した！キツネっち、ちょっと来て……おい、宮田！いつまで寝てんだ？ついてこい！！』

と、ソファでネムリヒメさんみたいにぐーすか寝てらしたミヤタさんの上に馬乗りに飛び乗ったかと思えば、いきなり彼の股間をぎゅっと掴む。

『…ん…ぐっ、うぅ…ぐわぁぁぁあっ！？』

おおぅ…痛そう！！

ほんの少しの間があった後、ミヤタさんは地の底を這うほどの低い呻き声を上げ始め、しまいには大声で叫びながら見事に飛び起きる。
あ…床に転げ落ちちゃいました！

……た、タマさん？
ソコは動物の急所で、簡単に掴んでいいとこではありませ〜んっ！！

そういや忘れてました。
ミヤタさん、ちょっと前まで毎朝ばっくぶりいかあで起こされてたんでした。
最近は朝から悲鳴聞こえなかったから、違う起こし方覚えたんだと思ってたのに〜。ミヤタさん限定つんでれおめざましは今日も健在。

てか、ミヤタさんて頑強〜。
…はっ！タマさんのイタズラが自ずと日々の鍛錬に繋がっているのかも？？

『た、た、タマ！？たま潰れるわっ！！』

『ダジャレ言ってる場合じゃねー。行くぞ！』

『ダジャレじゃねーっ！！事実だろ！……って、あれ？』

タマさんに引っ張り上げられ、無理矢理立たされたミヤタさん。キョロキョロと辺りを見回します。

『……あ、そうか。龍さんと交代したんだっけ。俺寝てたの？』

そうこうしてるうちにまたタマさんがミヤタさんの股間をぎゅっ！

『ぅぎゃあ！！！な、何っ？』
『行くよ！』

いちいちソコ掴まなくても言えるお言葉ですよ？

『何処へ…タマぁ？！待てって！どぉいうことなのぉぉっ？』

うん。すっかりいつものミヤタさんです。
タマさんに腕を抱えられお外へ引き摺り出されていっちゃった！

『…よ、よく分からぬが。少し席を外すよ？吾妹子もおいで。』

トシコさんもタマさんたちの後から滑るような身のこなしで追いかけていく。
みんながポカンとタマさんたちを見てる中、呼ばれた僕も慌ててお３人を追って駆け出した。

で、また畑に逆戻りです。

『タマぁ、さっぱり状況が分かんねーっ！説明して。』

ミヤタさんが問いかけるけど、タマさんはご自分で引っ張った為に崩れたミヤタさんのしゃつとにっとをあちこち触り、形を直すのに夢中。
流石すたいりすとさん。お服の乱れはお心の乱れだそうで。