ひとくふう荘14 (ページ24)

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まぁ、それはなきにしもあらず。
だって…。

『でもさ、タマだって《龍》と幼馴染の上に親友になって今は恋人で…って考えたら、割とあり得るんじゃね？出会い方はさておき。』

そう、ニカさんの言う通り。精霊さんや霊獣さんたちが《たま》の力に惹かれてしまうならあり得なくはないんです。

『……そか。《たま》に惹かれて集まるアヤカシさんと仲良くしよまいってこと？
でも危険だよ？？集まってくるみんなが《たま》を守りてぇ訳じゃなぁて。』

お父さんもセンガさんのお言葉に頷く。

『そやな…せやけど上手いこと仲良うなれたら強い味方になるで？
龍馬はんと白沢はんは《たま》奪いに来たクチや。』

『ぅええっ！？じゃ、敵だったの？』

また頷いたお父さんがおハゲになった頭のてっぺんを撫でながら笑った。

『別々やけど、白沢はんは…俺が結婚してココに越して来てすぐやったな。
変な太鼓の音聞こえたと思たら家が揺れ出して、えらい地震来た言うて外に逃げ出してん。ほしたらデッカいヤギが太鼓の音鳴らしながら畑掘り返しまくってた。まだ《たま》の結界も不充分やったし、匂い嗅ぎつけて来た言うてたわ。
……で、モモさんとなんとか封じたんや。
正体が白沢と分かって、元は瑞獣やし……話し合いしてお仲間になった。』

……あれ？お父さん、少し口籠ってらっしゃる。

『龍馬はんはこの家燃やしかけたなぁ。あれには参ったわ。まぁなんちゅうか、今となっては笑い話やけど。』

すると、しばらく聞いていたタマさんがお父さんに向き直り、そのお目目を見据えてお口を開く。

『………じいちゃん、お仲間になってもらう時…何か交換条件はないの？？』

僕は思わず身動いだ。

……やっぱり。タマさんは何か知ってる。

お父さんはタマさんのお目目からお顔を逸らしたまま、お口の中でモゴモゴ。

『いや、まあ…あることはあるが…。』

『………タダで協力するはずがないってことか。』

キタヤマさんもポチポチするお手手を止めて呟く。それから、お父さんのお顔を見た。

『おじさん、何と引き換えなら精霊や霊獣は協力してくれるんすか？まさか人柱…とか。』

ヒトバシラってなぁに？

僕は思わずお首を傾げた。お耳もピクリと震えちゃう。

お父さんと一緒にジダイゲキで見たヒトバシラは、橋やお城を作る時、工事が無事に終わりますようにとお願いする為に誰かの命を捧げることだったよ？
柱にどなたかを縛り付けて土の中に埋めちゃうの。あれは怖かった〜！