ひとくふう荘 (ページ35)

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６個口たっぷって、たくさんコンセントが挿せて、それに付いてるボタンをパチンパチンって押したら電気をつけたり消せたりできるの。
お父さんも使ってたもん。

で、タマさんたちが買ってきた電気やみんなが持ち寄った電気に、赤や青や黄色の透明なせろふぁんをくっつけて、色毎にコンセントをまとめたり、壁や椅子に固定して…。

『はい、ちょっと通しでやってみよー！』

何故かニカさんがカメラの後ろに座って、号令を掛けたよ？ニカさんとキタヤマさんは昔かららいぶの時の演出担当なんだって！

『……プラネタリウムが回るなら、こっちのライトも回してぇな。流れ星みたいに。』
『それは無理じゃね？』

ところがどっこい。不可能を可能にするのが演出担当なんです。

ちょっと考えてたニカさんが、ふと僕の顔を見たの。…で、センガさんみたいにポンっと手を打った。
走って取りに行ってきたのが、キャンプでばうむくーへんっていうお菓子やおっきなお肉を回しながら焼く器械。
その周りに筒みたいに厚紙をくるんって巻いて止めて、取っ手のところにピカピカの電気を２つ…。

でもね、コレお手手で回すんだよね？？

『ドンブリ、お前にものすごく重要な任務を与える。』

はい？？？

『ココにキミの大好きなおやつをしこたま入れるぞぉ…ホレホレ〜。』

あっ！おいもきゅーぶとチーズきゅーぶと煮干しっ！！
紙の筒の中にいっぱい入れてくれた〜っ！！！

『一箇所だけ、穴開けて。引っかかるとこ作って…。よし、ドンブリ、食べてみ？？』

僕はもう夢中になって、紙の筒をカリカリカリカリ！くるんと回すとちょっとずつ落ちてくるのっ！
そしたら電気もくるりと回って、みんなのお顔を光がしゅるんと撫でる。

あ、僕はもう全然そっちを見てなかったけど！

『天才演出家が降臨したっ！』
『メイキング動画も作るわ。これ最高！』
『そろそろ一回取り上げないと、ドンブリがお腹いっぱいになっちゃう！』

え〜っ？もっとやりたい〜〜っ！！

ジタバタすると、ニカさんが綺麗な長い指で僕をナデナデ。

『後でまたたっぷりあげるからっ！』

お昼からのナマ配信無料動画らいぶは、ジャカジャカドンピャーララおーべいべーポロポロンでたくさんの音の洪水！！
いろんな色の電気がピカピカくるんっ。
しっとりなお歌の時はお星様がゆっくり回って…流れ星もしゅるんと走る。

みんなカッコイイ〜っ！

お歌の意味は分かんないけど、いつもと違うお顔でとっても素敵。