ひとくふう荘 (ページ17)

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ドンブリ、飛ぶ。ページ17

んふふ〜！今日はウキウキしています。
いや、もはやワクワクウッキウキ〜っなのっ！
こういうのみんなは《踊り出したくなる》って言うんでしょ？
僕も朝からくるくるくるくる回ってま〜す！

実は今日はね、お父さんに会える日なんです〜ぅっ！

本当は〜もっとたくさんシセツに僕を連れて行くねって、タマさんはお父さんに話してたんだけど、ほら、なんか難しい病気が流行ってるんでしょ？
最初は何度か会いに行けたのに。どんどん会っちゃいけないってなってきたんだって…。

だからね、今は全然会いに行けないの。タマさんやガヤさんは、お着替え取りに行ったり必要な物持って行ったりもするけど、その時もお父さんと直接は会えないんだって！

あ、今までも《りもおと》で数回お顔を見せてもらったり、モシモシでお声聞いたりはしたんだよ？
ただね〜、僕たちはお耳が良すぎてね。
電波に変わった音声は、元の声とちょっと違って聞こえちゃう。やっぱりナマのお父さんのお声が聞きたいな。匂い付きでねっ？

『こっち用意できた〜ん。ミヤぁ、行ける？』

タマさんが、お父さんのお着替えが入ったカバンと自分のバッグを肩に背負ったよ。

『あいよ。お散歩バッグとケージもタマの車の中入れてきたよ。』

運転はいつもタマさんなの。でも、今日はミヤタさんが一緒に来てくれるって。僕のお世話もあるから…。
んふふ！また僕をダシに使ってるね〜。構わないから、もっと使っていいけどね？

あ、平日だから、ガヤさんはお仕事なの。
ヨコオさんも今日はお家にいるけど、みんなのご飯の仕込みをまとめてたくさん作っておいてくれるみたい。

『行ってらっしゃい。タマ、ドンブリのおやちゅも宮田に渡しといたきゃら。』
『ありがとんとこと〜ん！ドンブリ、行こうぜぃ！』
『んははっ！行ってきます〜。』

ん〜、タマさんに負けないくらい、ヨコオさんも時々よく分かんない言葉を使うんだけど、みんなはもう慣れっこで《また噛んだ》って言うの。何か噛んでるのかな？骨型ガム？

そう言えばね、うちのみんなは難しい病気に罹らないように割と検査をしたり、頑張って伝染らないようにしてるから、お家じゃ自由にしてるんだって。
本当はまだまだ油断は禁物らしいんだけど。

なんとライオンさんに伝染った例もあるから、僕も気を付けなきゃ……。みんなに伝染したりしたくないな。みんなみたいに犬用のマスクほしいかも？
マスクするのが大切って、みんなお外に出る時は必ずしてるもの。