ひとくふう荘 (ページ11)

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『なんかまだ帰ってくるかも〜。』
『ぅえっ？俊くん？』

あ、ガヤさん、お手手が止まった。
てか、なんでミヤタさんって分かるのかな？

『ん。今日のアフレコは巻きで終わっちゃったってさ。』
『……や、焼きそばでいい？』
『あと３０分くらいで帰るって。帰ってきたら、宮田のは俺作るから。ガヤはニカので終了！ありがと！！』

ガヤさんは、ものすごくホッとした顔になった。

『２〜３人分なら１人ずつの注文聞けるけど。渉はスゲェわ。カフェ飯、色々メニューあるもんな。』
『それだけ下拵えしてあるし、１人前作っていくら儲かるって考えたらできるかも。』
『ん〜、下拵えしていっぱい冷凍しとくか。』
『……ワタにしてもらいましょー。』
『……うん、そうしましょー！』

今頃ヨコオさん、いっぱいくしゃみしてそう。

タマさんは出来上がっていたラーメンを受け取って、テーブルについた。両手を合わせていただきますしてる。

『ん、ガヤ、美味しい〜！五臓六腑に染み渡るぜっ！』

ニコリと笑うガヤさんが、そっと呟く。

『ひと工夫って、するほうもされるほうも嬉しいな。』

……そうだね。僕も煮干し載せてもらったり、ミルクの粉載せてもらったり。ひと工夫してもらうと美味しいもんね？
僕にできるひと工夫…今日は何しよう？？

やがて、キタヤマさんとニカさんも上がってきて、自分の注文を受け取りテーブルに。それぞれが美味い美味いと言いながら、ガヤさんに親指を立てる。

『え、ガヤ、天才じゃない？』
『うめぇ、絶対美味い、間違いないわっ。サンキュー、藤ヶ谷！』

ガヤさん、嬉しそうだなぁ。
エプロン外して、ソファに座って、食べてる３人をニコニコ眺めてる。

……お疲れ様！

僕はソファに飛び乗って、ガヤさんの手をペロペロ舐めた。今日は特別大サービス！ほっぺも舐めておこ〜！

これが僕のひと工夫……どうかなぁ？嬉しい？

『…ああ…マジみ、見てっ！？ドンブリが手とほっぺ舐めてるっ！！！』
『えっ！？嘘っっ！ドンブリ、おじいちゃん以外は舐めてくれなかったのに！！？』

タマさんが慌ててモシモシを取り出して、めっちゃカシャカシャし出した。
何故か、普段あんまりカシャカシャしないニカさんやキタヤマさんまでモシモシでカシャカシャ！？

は、恥ずかしいよぉぉぉ…。

ガヤさんはきゅうと僕を抱き締めて、逆に僕のお顔にお口をペタペタしてくれた。

『ドンブリ〜っ！かわゆい〜〜っっ！！ありがとねーーーっ！』