14 暇な人 ページ14
「ちょっと失礼します」と言ってデスクに戻り、昨日デスク下奥においておいた私物を入れたダンボール箱を取り出して引き出しやデスク上に配置していく。
異動して、内容が変わるとはいえ少しでも慣れた環境で仕事をしたい。
お気に入りの太陽光でゆらゆら動くピンクのウサギの人形とカレンダーはパソコンの脇に。
仕事には癒しも必要なのよ。
スイッチを入れ一定のリズムでゆらゆら揺れるウサギを見て、ふっと笑うと
「それ可愛いな(笑)」
また声を掛けられる。
思わず溜め息をつきそうになったのを我慢して「ありがとうございます」と返事をしておく。
暇なの？
ああ、暇だからコーヒー飲んでるのか。
課長席の前から２列で並んでるデスクの最後。お誕生席みたいに配置された私の席。
脇に空いたスペースは寄り掛かるのにちょうどいいスポットになっている。
観葉植物でも置いてやりたい。
箱の中身を取るため必然的に俯いて作業をしていると、「ねえ」とまた声が掛かる。
さっきまで我慢していた溜め息が小さく漏れた。
仕方なく顔を作って・・。
「なんですか？」
にこやかに言った私に対して、真顔の櫻井さんが言った。
「なんかAさん俺に冷たくない？」
「そうですか？
普通にしてるつもりなんですけど。
新しい部署ですし、緊張してるからじゃないですか？」
あんまり関わりたくない、なんて本音はひた隠しにして無難な答えを返すと「そうかなあ？」とまた言ってくる。
そりゃ、あなたに興味がある他の女性陣はキャピキャピ言いながら話すんでしょうけど、生憎私は全然興味無いし。
強いて言うなら秘密を見られたかどうかだけが気になる。
『冷たくない？』なんて訊いてくる割にこんなに馴れ馴れしくしてくるのはどうしてなのかと訝しんでる。
「そうですよ。あ、課長、おはようございます！
今日から宜しくお願い致します」
ナイスなタイミングで来てくれた課長に挨拶をすると、櫻井さんもお喋りをやめた。
「ああ、おはよう。
朝礼で簡単に紹介するから、自己紹介考えておいて」
「はい」
時間を見ればあと１０分で始業の時間だ。
急いでデスク周りを整理し、パソコンのＩＤを貰う為システム管理部に電話をする。
ＩＤを貰わないことには仕事を始められないし。
「今日から営業部に異動になりましたAです。
パソコンのＩＤ頂けますでしょうか」
私が電話をしている間もずっと櫻井さんは側にいた。
じっと私の顔を見ていた、気がする。
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とも(プロフ) - こんにちは。赤い眼の真相？とっても気になります。ってか続きがめちゃくちゃ読みたいです( ^_^ ;) (2020年1月25日 13時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みやさん» みやさん、こんにちは。大変お待たせしましたm(__)mたったの１話ですが更新いたしました。この後はもう少し更新頻度は上がるかも。お時間ある時にお付き合いいただけたら嬉しいです(^^) (2018年5月12日 13時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 待ってます (2018年4月14日 10時) (レス) id: 31283dda21 (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みぃこさん» みぃこさん、こんばんは(^^)先程、すくない話数ですが更新してきました！もう少しコンスタントに進めるのが理想なんですけど、なかなか時間が取れません（T_T） (2018年2月26日 23時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みぃこ(プロフ) - おはようございます☆これからの更新楽しみにしてます(*^^*) (2018年2月14日 9時) (レス) id: 22f30ee0ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青藍
作成日時：2018年1月10日 23時
