どんだけ〜 ページ15
突然、部屋が揺れた。
「っ!?」
「地震!?」
こんな時に、と思いながら頭を庇って伏せる。
ここは物が多い。震度によっては――
突然、ぴた、と揺れが止んだ。
揺れ始めて5秒程度しか経っていない。
恐る恐る顔を上げると、そこに仙石はいなかった。
「!? せん・・」
辺りを見回して、そして気づいた。場所が変わっている。
狭い物置にいたはずが、今はどこかの教室の床に座り込んでいる。
思考する間もなく、頭上から声が降ってきた。
「ああ、誰かと思えば」
それは比較的柔和そうな声だったが、私の体はびくりと過剰に反応してしまった。
見上げると、見覚えのない顔がそこにはあった。ネクタイが緑なので、3年生であることは確認出来る。
「びっくりさせてしまいましたね。俺は青葉つむぎと言います。美作さん、ですよね?」
「え、と」
青葉さんが近くの椅子に腰掛ける。とりあえず私もそれに倣った。
「いや大変なことになりましたね〜。密かに心配してたんですよ、美作さんのこと。でも下手なことしたらきっと夏目くんや英智くんや零くんにこっぴどく怒られちゃいますから手出しできなくて」
「いや待っっっって」
喋り出す青葉さんを遮って止める。
ただでさえ状況が分からなくて困ってるのに、これ以上情報与えてこないでくれ。
夏目くん?英智くん?零くん?が、何だって?
情報過多なんだよ。ちょっと整理する時間くれよ。あと今何がどうなってんのか教えろよ。
「年下にタメ口きかれた・・やっぱり俺、威厳みたいなものが足りないんでしょうか・・」
「めんどくさ、あっ違いますよそういうことじゃなくて」
「えっ!?今面倒臭いって言いました!?ううっ、最近の若い子攻撃力が高い・・!」
また口をついて出そうになった面倒臭いを、今度は飲み込む。
なに、最近の若い子って。2個しか違わないくせに。
「そんなことより、今これどうなってるんですか?私さっきまで物置にいたはずなんですけど」
「え?・・ああ、知らなくて当然ですよね。びっくりしますよね〜」
「びっくりどころではないんですけど」
「確かに。えっと、・・・でもこれ、教えちゃっていいんでしょうか?それこそ夏目くんたちに怒られるかも」
校舎内で超能力的なサムシングがはたらいている理由は、どうやら言いにくいことらしい。
・・仙石たちは知ってるのかな?ていうか大丈夫かな仙石。
・・・なんか私、順応能力高くなってきてね?
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クラゲ(プロフ) - めっちゃ面白いです!続き楽しみにしてます! (2022年4月10日 15時) (レス) @page17 id: 3ba0a6e972 (このIDを非表示/違反報告)
アリサ - 続き楽しみに待ってます (2021年8月29日 19時) (レス) id: 2149cb42f2 (このIDを非表示/違反報告)
小林(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます〜!ですです!偶然にもどっちもswitchでしたね今気づきました( ) いつになるか分かりませんが気長にお待ちいただければ幸いです〜〜 (2020年5月1日 18時) (レス) id: 7024b5686c (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 夢主ちゃんはつむぎに、あんずちゃんは夏目にってことですね...?学園内で何が怒ってるんでしょう(;−ω−)続き待ってます (2020年4月26日 14時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
小林(プロフ) - 碧月蒼さん» うわ〜〜〜んありがとうございます……正直このまま放置って考えてたんですけどそうやって言ってくれる方がいる限りできませんね……が 頑張ります… (2020年4月1日 18時) (レス) id: 7024b5686c (このIDを非表示/違反報告)
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