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最初は遠慮気味でおどおどした感じだった高峯くん。話す度に笑顔が増えて、可愛い後輩だなぁ…なんて思っていた。
それが今では___
高峯
「先輩、一緒に帰りましょう」
「わ、高峯くん!待ってたの?」
高峯
「はい、先輩に会いたすぎて…」
こんな事をサラッと言ってくる高峯くん。
最初のイメージと違いすぎてにわかに信じ難いけど、正真正銘高峯くんなんだよね。なんか前よりも積極的になったというか、グイグイきてる気が…
高峯くんとは話が合うしその時間が楽しい。同じ話題で話せる人がいるっていうのは嬉しいよね。好きなモノを共有できることが高峯くんも嬉しいのかな。なかなか男の子でゆるキャラ好きな子、いないだろうし…
高峯
「今日先輩とふたりで寄りたいところがあるんです」
「寄りたいところ?」
「先輩が絶対に喜ぶところです」と言われて着いた先は___
「ゲームセンター?」
高峯
「ここに限定うさちゃんぬいぐるみがあるんです」
「わ、結構大きい!かわいいね!高峯くん、UFOキャッチャーできるの?」
高峯
「え、UFOキャッチャー?」
どうやら彼はお金を支払えばゲットできると思っていたらしく、UFOキャッチャーは未経験だと言う。
高峯
「でも、俺のうさちゃん愛は誰にも負けないんで取れます」
「そ、それ関係あるのかな…」
高峯
「意地でも取るんで見ててください!」
-五分後-
「高峯くん…」
高峯
「先輩っ…すみません、お願いします…」
「よしっ、任せて!」
弟がいると度々ゲームセンターに連れてこられるから、UFOキャッチャーはお手の物。高峯くんは5回チャレンジしたものの、ぬいぐるみは全く微動だにせず諦めた。
少し涙ぐんでいる高峯くん。何が何でも取ってあげないと…!
「う〜ん、もう少し右かな?」
高峯
「先輩…頑張って!」
色んな角度から狙いを定めて、納得のいくアームの位置に調整しボタンを押した。アームはぬいぐるみの隙間に引っ掛かり、がっちりとホールドしたまま投下口に落とされた。
なんと一発で成功。
高峯
「先輩っ!すごいです…!わあ、かわいい!!」
「良かったね、高峯くん!」
大きなうさちゃんをぎゅっと抱え込んで目をキラキラさせている高峯くんを見ると私も自然に笑顔になる。
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作者名:あねもね | 作成日時:2021年1月19日 19時