六奇人目の秘密

Episode6 ページ8

葵ひなたside

第一印象はハチャメチャな人。
放送もライブの始まりかたも。

それでも先輩たちの様子を見れば、ただ者ではないのは確かだった。

ライブが始まるとただ者ではない理由がわかった。

洗練されたダンス、透き通った歌声。

彼が歌を歌い出すと、誰もが笑顔になった。

ゆうた「アニキ、俺こんなステージ始めてみたよ」

ゆうたくんもステージに圧倒されている。

ひなた「俺だって初めてだよ」

そんな会話をしていたら朔間さんが話しかけてきた。

零「お主らがそう驚くのも無理はない。彼はすべてのことを見通すことができるProphet(予言者)であり、人を笑顔にする天才じゃからのう」

人を笑顔にする天才。
その言葉に少し引っ掛かった。

アイドルなら、誰だって人を笑顔にしている。
それだけ彼は特別ということなのだろうか？

ステージでは実力はもちろん、その人の気持ちまでもがパフォーマンスに影響する。

と、以前朔間さんが行ってたのを思い出した。

零「ついでに言うならば、ダンスの振り付けから歌の作詞作曲、衣装に至るまですべて彼一人でやっている」

ん？今とんでもないこと聞こえた気がするけど気のせいかな？

ゆうた「気のせいじゃないよ。ちゃんと朔間さん言ってたよ、アニキ」

本当にすごい人が来たみたいだ。

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