____ ページ11
ただいま、と言いながら家に入る。
拓司はテレビを見ながら寛いでいた。
「おかえり。こうちゃんとのご飯は美味しかった?」
「うん、すっごく美味しかったよ!」
「そっか。じゃあちょっとこっち来て。」
言われた通りに彼の隣に座る。
「じゃあ、今日のことについて説明してくれよ。」
「今日のことって?」
すっとぼけてみるけど、拓司に分かってるでしょ?と目線で言われて言葉につまる。
「……拓司が恋愛において嫉妬という概念を持ち合わせているのかという実験、です。」
「ま、そんなとこだろうとは思ったよ。で、実験結果は?」
「失敗しました……。」
しゅん、と目線を落とすと彼はハッハッハと笑いだした。
「実験は成功してるよ。」
「え?」
「福良さんに教えてもらうまで、嫉妬で狂いそうだった。」
成功、と言う割には余裕たっぷりの笑みからは嫉妬していたとは思えない。
「……それで、いつ頃から嫉妬して、いつ頃教えてもらったんですか?」
「くくくくく……Aがこうちゃんと肩をくっつけてるのを見てめちゃくちゃに嫉妬して、キッチンで休憩中になんか内緒話してるのに気を取られてる時に福良さんが教えてくれたよ。で、こうちゃんとご飯行ったのは実験のお礼とか?」
「ハイ、ソノトオリデス……。」
最初で成功してたならそれ以降完全に拓司の手のひらで踊ってただけじゃん。
突如、拓司の顔がぐっと近づいてきた。
「じゃあ、俺にも実験のお礼、ちょーだい?」
え、と半開きになった唇に彼の唇が重なる。
ちゅう、と吸われるような口付けをされてから拓司は離れた。
「ふは、お礼はたっぷり貰うからな?」
「え、ちょ、まっーー」
後日、こうちゃんに実験が最初の時点で成功していたことを伝えると、また呆れた目を向けられてしまった。
━━━━━━━━━━━━━━━
リクエストありがとうございました!
いかがだったでしょうか?
あーでもない、こーでもない、といくつか書いた中で1番リクエストに近いと思うものにしましたので、いずれ他のも公開しようと思います。
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
91人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「QuizKnock」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
辰海恋歌(プロフ) - あすさん» 早速読んでいただきありがとうございます。この後どうなるかも一応考えてはいますが、次回の短編集のテーマとは少し合わないと思うのですぐに公開、という訳ではありませんが、必ずあす様の目に留まる形に致しますのでしばらくお待ちください。よろしくお願いします。 (2021年11月5日 0時) (レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - 辰海恋歌さん» 早速続き拝見しました!fkrさんが詰め寄る感じいいですね!続編?半年後fkrさんとどうなっているのか気になります! (2021年11月4日 22時) (レス) id: 14b7e1c0b8 (このIDを非表示/違反報告)
辰海恋歌(プロフ) - あすさん» こんばんは!そういって頂けてとても嬉しいです!最後まで気に入って頂けますと幸いです。 (2021年11月4日 20時) (レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - こんばんは!結ばれる悲劇、終わらない悲劇を読んで切なくもありますがとても気に入りました!続きが気になります… (2021年11月3日 22時) (レス) id: 14b7e1c0b8 (このIDを非表示/違反報告)
辰海恋歌(プロフ) - あすさん» いえいえ!気に入っていただけて良かったです!! (2021年7月17日 23時) (レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:辰海恋歌 | 作成日時:2021年5月19日 16時