【※百合】男装の麗人で推しを助けたら惚れられた。 ページ17
私の言う事を聞く良い子が好きだ、勿論素直で可愛い子も好き…それは男も女も変わらない。図書師団の生徒さんからどうしても男性の格好をして欲しい、見てみたいと強請られ、本日は男装の麗人として生活していた。長髪を束ね流しており、シルクハット、黒のスーツに黒の手袋を嵌めた姿で佇む。女生徒からの黄色い声を聞き、軽く手を振り微笑めば頬を赤らめ立ち眩みする者が大勢いた。アクドルでも男装の麗人はした事があったし、意外にも女性陣からの評判が良かったから反応は何度見ても面白い。
「えっ…Aさん?」
「あぁ、バラム先生とナベリウス先生…」
「お前、何だその巫山戯た格好は…」
「生徒さんにどうしてもとお願いされましてね、チェルーシルで軽く服装を変えて男装をね?」
「へぇ、良く似合ってるね」
「ありがとう。でも知ってる…私、顔が良いからね?」
「……文句も言えんからか余計に腹が立つな」
まだ見ぬオリアス先生のようなスーツをイメージしたのは内緒である。生徒達へ全力で楽しんで貰いたいから、私も全力で楽しむ事にしたのだ。呆れたようなため息を吐くカルエゴくんと、苦笑いなシチロウくんの視線が妙に痛い。
「ちょっと、ごめんなさいね」
「おい、一体どこに…」
上級生に絡まれている水色の髪の女の子を発見し、カルエゴくんの言葉を制してそこへ歩いて行く。そして間に入り女の子を守るように背中へ隠した。
「こらこら…女の子に無理やり言い寄るのは褒められた行為とは言えませんよ?」
「あ゙?誰だテメェ…俺がどこの誰かを知っていて喧嘩を売ったんだよな?」
「……何だか私。昔どこかで貴方の顔を見た事があるかも知れませんね。君…名字は?」
私の問い掛けに苛立つように、名を名乗った生徒に聞き覚えのある名字で心底ゲンナリした。思い出すのはあの忌々しいデビュタントの日…言い寄って来た手紙の男の親族であったからだ。弟ではなく子供だと言うから、親が親なら子も子だなと思い返す。と言うかあの人結婚してたんだ…執事長やメイド長がお灸を据えると言ってからパッタリ手紙が来なくなったとは思っていたけれど。色々と根回しをして見合い結婚させたから何だな…と察した。
「貴方も相手の力量くらい測れるようになりませんと…私が今貴方に言える言葉と言えば【余り強い言葉を遣うなよ、弱く見えるぞ】……ですかね?」
私の威圧感に口を噤む生徒は恐怖し走り去って行く、あの男と変わらないな…全く嫌な記憶を思い出させてくれる。
【※百合】男装の麗人で推しを助けたら惚れられた2→←推しに先輩呼びされていたり2
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72 - 久しぶりの更新楽しみにしてました!!体調に気をつけて頑張ってください (3月29日 16時) (レス) id: 3801a7866d (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - とても面白くて読みやすかったです!最近更新されていませんが続きを楽しにみ待っています!! (2023年4月9日 22時) (レス) id: d3fb5e7475 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - すみませんがもう更新はされないのでしょうか? (2023年3月26日 0時) (レス) @page29 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - イポス先生の出番!!いつも更新ありがとうございます!! (2023年2月21日 21時) (レス) @page28 id: 61588fc94f (このIDを非表示/違反報告)
紅 - いくらでも待ちます!!!!!! (2023年2月13日 17時) (レス) @page23 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼空 | 作成日時:2023年2月6日 9時