あの国民的アイドルの妹は...。１３ (ページ6)

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( 続き )
( 柚花視点 )

相当変な顔をしていたと思う。
状況を飲み込むのにだいぶ時間がかかった。

「どういうこと？」

「俺もわかんない」

「へ？」

「ここにいる意味もわかんないし、絶対会わないって決めてたし。でもここにいる。ってことはさ、会いたかったんだよ。柚花に」

「...それ自惚れますよ」

「ご勝手に」

「先生、彼女は？」

「...ごめん、嘘ついてた。本当はいない。柚花が俺の事今でも好きなのがわかりやすすぎて、こうでもしないと俺もまた柚花のところに行きそうだったから」

「結局今ここにいるじゃないですか」

「そうだね」

いいのかな。
また先生と恋をしても。

元教え子とはいえ、成人はしたし立派な大人。

いいよね、だって元なんだから。

もう一度先生と歩んでみても。

「外暗いし送っていくよ」

帰り道を一緒に帰るなんて初めてだ。

高校生のときはこんな事出来なかった。

これから初めてのことがたくさん増えていくのかな。

...楽しみだな。

出来ればもう苦しい思いはしたくない。

「はい、」

「いいんですか？」

「いらなかった？」

「そんなわけ！」

私に向けて出された先生の手。

慌てて握り返すと先生はふはっと笑った。

外で手を繋げる幸せ。

どうかこの幸せが続きますように。