December.隣で ページ41
.
.
「おまたせ、A起き上がれる?」
涼介くんが薬局から帰ってきて、
私を起き上がらせ鎮痛剤とコップに入ったお水を渡してくれる。
「ありがとう…。」
「これでちょっとは痛み引いてくれたらいいんだけど…。」
鎮痛剤の錠剤をひとつ口に入れて水で流し込む。
はぁ…良かった。助かった。
これでしばらくしたら痛みは引くはずだ。
「A寒くない?大丈夫?」
まるで小さな子供を看病するみたいに
心配してくれる涼介くんに、なんだかほっこりしてしまう。
「ううん、大丈夫。あの…涼介くん、もうひとつワガママ言ってもいい?」
「うん?どうした?」
「あの……一緒に隣で、寝て欲しいな。 」
今は夜の8時過ぎでまだベッドに入るには早い時間なんだけど、涼介くんは、くしゃっと嬉しそうに笑いながら
「ふふっ、もちろん。じゃあ…お邪魔します。」
って言って私の隣に寝転がった。
こちらを見る涼介くんの顔が…近い。
「……まだ痛い、よね?」
「ん、ちょっとね。」
すると、涼介くんの手がするっと私のお腹まで伸びる。
「撫でたらちょっとは良くなるかなぁ?」
温かい涼介くんの手のひらが
ゆっくり円を描くように私のお腹を撫でる。
「ありがとう…。なんか、照れるけど落ち着く。」
「ふふ、良かった。A、眠たくなったら寝ていいからね。」
「…今日はごめんね。せっかくのクリスマスイブなのに…。」
しょんぼりとする私をみて、お腹を撫でるもう片方の手で私の頭をやさしく撫でながら微笑む涼介くん。
「なんで?俺はAと一緒にいれて、凄く幸せだったよ。それにさ、これからもまたクリスマスイブは来るんだから。……ねぇ A、また来年も俺と一緒にいてくれる?」
「うん…!あ!プレゼント…。」
私は涼介くんに用意してたプレゼントのことを思い出して起き上がる。
「ん?俺にプレゼント用意してくれたの?」
「うん、私カバンの中に入れっぱなしで…。」
「あ、Aはベッドで待ってて。俺Aのカバン持ってくるから。」
そう言ってベッドからおりて、リビングに戻る涼介くん。本当、どこまでも優しい完璧な人…私なんかには勿体ないくらい。
「はい、カバン持ってきたよ。」
「ありがとう、……これ涼介くんにクリスマスプレゼント。あの、大したものじゃないんだけど…。」
「嬉しい!開けてもいい?」
私がコクンと頷くと、涼介くんは嬉しそうにラッピングのリボンを解いた。
138人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ano(プロフ) - せりかさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!実は私もせりかさんのお話を読んでまして…コメントいただけて感動しておりました(⑅•ᴗ•⑅)更新頑張ります!これからも宜しくお願いします! (2022年1月16日 7時) (レス) id: 7a1710a5e8 (このIDを非表示/違反報告)
せりか(プロフ) - こんにちは、初めまして〜。おすすめから来たら面白くて1からパート3まで一気に読んじゃいました。主人公ちゃん気分で青春きゅんきゅんさせてもらってます(^^)更新頑張ってください! (2022年1月11日 17時) (レス) id: 4fa3f7b9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ano(プロフ) - まみぽこさん» ありがとうございます!!コメントとても嬉しいです〜!これからもキュンキュン楽しんでいただけるように頑張りますので宜しくお願いします! (2021年11月7日 16時) (レス) id: 7a1710a5e8 (このIDを非表示/違反報告)
まみぽこ(プロフ) - 最近Hey!Say!JUMPの沼にハマってきた者です!すごくドキドキしたり 有岡くんが間に挟まれて可愛いなって思いました笑 更新頑張ってください!応援してます! (2021年11月6日 23時) (レス) id: 4a93bda961 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ano | 作成日時:2021年10月6日 14時