春に君を想う【3】(Yuri.C)

December.痛み ページ40

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……ヤバい、どうしよう。

私、ピンチです。


さっきまで全然平気だったのに、
シャワーからあがってテレビを見ていたら急にお腹がズキズキと痛み出してきた。

しかも鎮痛剤持ってくるの忘れちゃったし、お腹が痛すぎて今から買いに行くのは正直厳しい。

涼介くんはシャワー中。私はソファの上でうずくまり、モゾモゾと色んな角度を探ってみるけど、どんな体制でも痛みは消えてくれない。


「もー…なんで今なの…。」


痛い。痛すぎて泣きそう。

はぁ、今日は涼介くんとイルミネーション見たり一緒にご飯食べたりしてすっごく幸せだったのに。




「… A？どうしたの？」


気付けば涼介くんはシャワーからあがっていて、
濡れた髪をタオルでわしゃわしゃ拭きながら
ソファの上でうずくまる私を心配そうに見ていた。


「あ、涼介くん…。なんかお腹が痛くなってきちゃって…。」


私がそう言うと、涼介くんはわたわたと焦りだして

「えっ？そうなの？えっと、どうしよう…！とりあえずベッドに移動する？」

私がこくんと頷くと、涼介くんはゆっくりと私を起こし

「A、しっかりつかまってね。」

と言って私をお姫様抱っこしてベッドまで運んでくれた。


「お、重たくない？」

「ぜーんぜん。むしろ軽すぎて心配になるくらいだよ。」

って優しく笑う涼介くんに、胸がキュンとなって無意識にぎゅっと抱きしめちゃった。



私をベッドにおろすと、頭をそっと撫でてくれて
涼介くんは眉毛を下げて心配そうに私を見つめる。


「よし、とりあえず横になっててね。あとはなんか、欲しいものとかあるかな？」


「あの…本当に申し訳ないんだけど、薬…鎮痛剤を買ってほしいな…なんて。」


「もちろん！あとは？なんか飲みたいものとかない？」


「ない…。ごめんね、ありがとう…。」


じゃあ行ってるね、ってすぐに薬局に出かけてくれた涼介くん。
もう夜の8時過ぎだし、シャワーからあがったばっかりなのに、嫌な顔一つしないでくれた涼介くんに頭が上がらない。



「…はぁ、痛い……。」


ベッドの中で横になっても痛みはまったく引かない。

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