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October.着信 ページ1

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山田side.


スマホが耳元でブブッと震えて目を覚ます。
部屋の中は真っ暗で、どうやらいつのまにか昼寝してたみたいだ。

真っ暗な中眩しく光るスマホの画面を目を細めながら見ると、
Aちゃんからの着信だった。

俺は飛び起きて再び画面を見る。
見間違いではなさそうだ。

もしかして、告白の返事か…?
急に緊張してきたけど、とりあえず通話ボタンを押す。


「もしもし?」

俺の問いかけに無言のAちゃん。


「Aちゃん?」


どこかの公園なのだろうか、人の話し声や水の音なんかが微かに聞こえていた。


「…なんかあった?」


その一言にAちゃんは
震える声で応えた。


「知念くんに…振られちゃって…っ。」


「えっ?どういうこと?」


予想外の言葉に俺は理解するのに時間がかかる。
Aちゃん、知念に告白したのか?
告白するつもりはないってあれだけ言ってたのに…。

一体なんでそんな状況になったのかはわからないけど、緊急事態だ。
電話口のAちゃんの声からして泣いているのがわかる。

俺はAちゃんに場所を聞いて急いで家を出る。
俺の家からは30分くらいかかる新しく出来たばかりの水族館の前にいるらしく、恐らく今日は知念とデートでもしてたのかもしれない。

向かう途中に乗った電車の中で窓に反射した自分の姿を見ると、思い切り寝癖で髪がピョンと跳ねていた。
手で撫でるように押さえつけてみたけど直らない。
せめて家を出る前に鏡でも見とけばよかった、と後悔する。


駅を降りてから少し走るとすぐに水族館は見えて、
その目の前にある噴水の傍にちょこんと座るAちゃんを発見。

真っ暗な中噴水のライトアップの明かりだけが辺りを照らしていた。




「Aちゃん。」

名前を呼ぶとゆっくりと顔を上げて泣き腫らしたであろう彼女の真っ赤な目が俺を捉えた。


「山田くん…ごめん、急に電話なんかして…」


泣き疲れて心も体も疲弊しているAちゃんは
再び地面に目線を落とした。


「隣…座ってもいい?」

小さく頷いたのを確認して俺はAちゃんの隣に座る。


Aちゃんの膝の上にはペンギンのぬいぐるみが置いてある。こんな時にあれだけど…可愛いな。

今日はやっぱり知念とデートだったんだろう、
その帰りに告白する流れになったのかな。


「… Aちゃんお疲れ様。頑張ったんだね。」



そう言うと微かに泣き声が聞こえてきて、俺はとっさにAちゃんの頭を撫でていた。

October.帰り道→



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ano(プロフ) - せりかさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!実は私もせりかさんのお話を読んでまして…コメントいただけて感動しておりました(⑅•ᴗ•⑅)更新頑張ります!これからも宜しくお願いします! (2022年1月16日 7時) (レス) id: 7a1710a5e8 (このIDを非表示/違反報告)
せりか(プロフ) - こんにちは、初めまして〜。おすすめから来たら面白くて1からパート3まで一気に読んじゃいました。主人公ちゃん気分で青春きゅんきゅんさせてもらってます(^^)更新頑張ってください! (2022年1月11日 17時) (レス) id: 4fa3f7b9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ano(プロフ) - まみぽこさん» ありがとうございます!!コメントとても嬉しいです〜!これからもキュンキュン楽しんでいただけるように頑張りますので宜しくお願いします! (2021年11月7日 16時) (レス) id: 7a1710a5e8 (このIDを非表示/違反報告)
まみぽこ(プロフ) - 最近Hey!Say!JUMPの沼にハマってきた者です!すごくドキドキしたり 有岡くんが間に挟まれて可愛いなって思いました笑 更新頑張ってください!応援してます! (2021年11月6日 23時) (レス) id: 4a93bda961 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ano | 作成日時:2021年10月6日 14時

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