あざといかのじょ × さかたさん。【あほの坂田】 (ページ6)

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女の子でいたいから、ページ6

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もうすっかり日も暮れてきた。
橙色の夕日が呑み込まれていくように
沈んで行く姿を見るのは結構好きだ。

｢あんな、A｣

｢どうしたの？｣

珍しい坂田くんの神妙な面持ち。

｢話があんねん｣

｢話…｣

｢ちょっと着いてきてくれへん？｣

そう言って私の腕を引く坂田くん。

なんだろうこれ、別れ話？
そうだよね、私釣り合ってないもん。
いつ別れを切り出されたっておかしくない。

“可愛げが無いんだよ”

昔付き合ってた彼氏に言われたその言葉。
特別可愛い訳でもないのに可愛げがない
なんて女としての魅力がないようなものだ。

坂田くんのことを好きになってから
坂田くんに好きだって思って欲しくて
せめて女の子として見て欲しくて
ネットや恋愛本や友達をフルに活用して
あざとい女の子でいようとした。
そうしたら彼が告白してくれた。
こういう私が好きなんだからもっと
あざとく、可愛くいなきゃと思った。

でも全部意味なんてなかったのかな。

肝心なところで甘えられないし
プライドはやけに高いし
あざといなんて演じてみただけで
ただのわがまま女だったかもしれない。

｢着いたよ、ここ｣

そんな私のネガティブ思考が炸裂
している間に到着した目的地は
見覚えのある場所だった。

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