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目を開けば小さなAが居た。

と言っても自分よりも少し背が高くなっていた。



そっと優しく抱きしめられて

その体温が移る。


そしてその温かさが私の何かを溶かした。


A「虚、?」


信じられない、とでも言うように

目を見開き確かめるようにぺたぺたと触れる。


虚「はい、

可笑しいですね、こんな子供なのに


貴方と大人の口付けがしたくてたまらない」


Aは少し照れくさそうに笑うと

そっと頬に口付けをした。


A「、、、年相応だろう

と言っても中身は年寄りだが


、、、ほら、そろそろどやされるぞ」


手を引かれ、少し前を歩くAを見上げる。


まるでキラキラとひかる夜空を見つめるような

そんな目をしていた。


ーーー


松「、、、」


虚「、、、なんです、文句があるなら言いなさい」


松「いえ、自分と同じ顔があるって不思議だと」


虚はあからさまに嫌な顔をして

それに対して松陽は笑顔を向ける。


A「、、、ふふ、」


それを見て微笑みを浮かべたAが

飯を頬張る。


銀「なあ、朧から聞いたけどよ


Aの2人目の子供はどうなったんだ?」


A「、、、さぁ、


しかし生まれてこなくて良かったと思っている

何せ私の子供は皆死ぬ運命だ


陽愛の前にも私は身ごもったことがある」


松陽と虚がかすかに表情を強ばらせる。

、、、言ってなかったのか。


A「その赤子は


焼き殺されて

無理矢理とはいえ私が食べた


、、、陽愛の事で確信したよ

私は、、、

おっと、なんだか暗くなってしまったな


、、、ご馳走様」


淡々と

少しも暗い表情を見せることなく言った。


手を合わせてちろりと舌で唇を舐めとる。


食器を台所に運んで行くAの後ろ姿を目の端に


虚「、、、」


松「、、、」


銀「、、、」


男が3人集まっているってのに

誰一人もAに声をかけられなかった。


ーーー


A「、、、


あ、少し負けてる、、、」


Aは頭に手を置いて身長を比べる。


A「ちょっと前まで勝ってたのに、、、」


なんて、

まるで子供のように拗ねる。


松「わたしは嬉しいですよ

だってほら、


貴方より大きいと貴方の全てを抱きしめられますし」


ぎゅっと抱きしめる。

ふわふわとした髪の毛が肌に触れて

なんだか甘い香りが漂う。


松「、、、?」

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作者名:ありやけさん | 作成日時:2021年1月20日 23時

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