私の彼の事② (ページ5)

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すごいことしてるやんページ5

「えぇ、」

「なに？どしたん？」

「リリーが松本さんとご飯行ったって」

「濱くんも行ってたやん」

「いや行ったけど、俺はガチガチでマジックしただけやし」

「十分やん。私も松ちゃんに会いたい」

「"松本さん"な。しかも見て？これ」

パッと差し出された彼のスマホを見ると、
そこには松ちゃんこと松本さんのツイート画面。

「リリーに電話番号聞かれたって呟いてはるわ」

「さすが」

「何してんねんアイツ。俺も松本さんの番号知らんのに」

「ﾌﾌｯ、しかもナンパみたいなやり口ってどんなん、」

「ちょっと電話するわ」

「え」

そう言うとソファに座ったまま、
サッと姿勢を正してスマホを操作する彼。

「え、え？ほんまに掛けるん？」

「うん。どういう事か確かめる」

「えぇ…、そんな事で電話したらリリ君困るやん」

「大丈夫。いっつもしてるから」

いっつもしてるんや。

まぁ、
重めの愛は彼の専売特許やからな。

リリ君が東京に来てからというもの、
我が子の様にリリ君を気にかけている。

少しの遠距離を経て、
再度近距離になった時、
彼の愛は昔よりも更に輪をかけて増量しているのだ。