私の彼の事② (ページ22)

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「濱くん？！大丈夫！？」

はっ！と体勢を整えて彼を見ると鼻を抑えて悶絶している。

「…うん、大丈夫、Aは？」

「私は大丈夫…、」

「良かったぁ……、アイツは？！」

鼻を抑えたまま、
すぐに臨戦態勢に入る彼だったけど、
ヤツは既に部屋の隅っこで息絶えていた。

「はぁ、」

激しい戦闘の末に息も絶え絶えヤツを処分。

「濱くん、ごめん…、」

彼をソファに座らせて、
鼻を抑えていた手をそーっと退けると、
転けた際に私の頭が直撃したみたいで見事に切れていた。

「どうしよっ…、ごめん濱くん、」

「大丈夫大丈夫。Aは？ほんまにどこも怪我してへん？」

「うん、」

「じゃあいい」

「ねぇ、病院行こ？」

「そんな大袈裟な。消毒しといたら大丈夫」

「でも、」

「大丈夫やって」

「……」

「そんな顔せんといて。ほんまに大丈夫やし」

とりあえず簡易手当だけして、
私を不安にさせまいと平気なフリをする彼に、
申し訳無さでいっぱいになる。

「Aの変な踊りも見れたし」

「……やめてよ、」

ハハッと笑う彼を見て、
やっぱりこの人を好きになって良かった、
なんて思っていたのは秘密な訳で。

翌日も"大丈夫"なんて言うけど、
やっぱり心配やったから朝一で病院に連行。

怪我自体は大した事なくて安心したけど、
長期のデカ目絆創膏生活を余儀なくされた。

『ただのおっさんの怪我で大した事ないんで心配しないでください』

You Tubeやらテレビやらではケラケラ笑いながらそう言っていたけど、

それは私のせい。