past story＊月が綺麗ですね＊ ページ26
「楽しかったーっ」
「俺も」
濱家くんと出会って数ヶ月。
私のしょうもない話を楽しそうに聞いてくれる。
ちょっと悩みを打ち明ければ自分の事みたいに頭を悩ませてくれる。
やっぱり私はそんな濱家くんが大好きやった。
脳内がとても初々しい。
いくつやねん私。
「良かったー」
「え？」
「やっと2人でご飯食べれたから」
濱家くんから誘われる事はあっても、
絶対誰か付き添いが居て、
中々話しづらい状況でもあった。
だからこそ今夜は楽しくてしょうがなかった。
「何かいっつも後輩くんと一緒やから私と2人きりは嫌なんかなぁって思ってた」
これぞ苦笑という表情を浮かべる濱家くんに、
多少の不安も覚えつつ、
少しの酔いに任せて言葉を続ける。
「思い切って誘ってみて良かったっ」
……何なんやろう。
その何とも言えん顔、
変な事言ったかな、
もしかして実はそんなに楽しくなかったんかな、
「…今日はほんとにありがとう」
「俺の方こそありがとう、」
もうすぐ駅につく。
駅構内に入れば今日は終わる。
どうしよう。
終わりたくない。
私はもっと濱家くんと一緒に居たい。
どうしよう、
「Aちゃん」
「なに？」
「あのー………、また俺とご飯行ってくれる？」
「勿論っ！！」
そんなの行くに決まってる。
数秒前の不安はその言葉でどっか行った。
想いを伝えるのにどれほど勇気がいるか。
振られたらどうしようとか、
この今の関係さえ壊れるかもとか、
壊れるくらいならこのままでいいとか、
そんな事ばっかりが頭をよぎる。
「濱家くん、」
「…ん？」
「今日…、めっちゃ月が綺麗、」
だから確信的な事は言えへんかった。
でも気づいて欲しい。
そう思いながら夏目漱石さんの力を借りた。
「ほらっ」
キョトンとしている濱家くんを見て、
慌てて夜空を指さしたら、
そこにはほんまに綺麗な満月が出てた。
「じゃあー…、今日は帰るね」
「あ…、うん、また」
「またね！」
何となく恥ずかしくなって、
気持ちを誤魔化す為にぶんぶんと手を振って駅構内へと向かった。
あのキョトン顔はどっちやろ…、
知ってか知らずか…、
自分で言うといてなんやけど、
めちゃくちゃモヤモヤする事となってしまった。
………なんと情けない事か。
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Lily(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます！スローペースではありますが、これからもぜひぜひ宜しくお願いします☆ (2022年3月25日 17時) (
レス) @page50 id: 45407d4f21 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - きゅんきゅんします❤️更新楽しみです (2022年3月24日 22時) (レス) @page49 id: e9d6431d93 (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - ゆゆあさん» はじめまして！コメントありがとうございます！素晴らしい作品なんて、最上級のお褒めの言葉嬉しいです☆これからも気が向いたら覗いてみて下さいませ(*´ω｀*) (2021年9月22日 23時) (レス) @page32 id: 45407d4f21 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆあ - はじめまして！私最近濱家さんにハマってしまいまして、小説無いかなーと思って探してみたら素晴らしい作品に出会えました！濱家さんの奥さんはこんな感じなのかなぁと思いながら読んでいたらなんか幸せになりました(*´꒳`*)続編楽しみに待ってます！ (2021年9月20日 17時) (レス) id: e6e11962fa (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - マカロンさん» コメント嬉しいです！！亀更新ですがもっともっとキュンのお裾分けが出来るように頑張ります！！ありがとうございます☆ (2021年8月28日 22時) (レス) id: 45407d4f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lily | 作成日時：2021年4月3日 20時
